夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

中秋月

2006年10月02日 23時45分46秒 |  漢詩を長崎弁で


萬里清光不可思
添愁益恨繞天涯
誰人隴外久征戍
何處庭前新別離
失寵故姬歸院夜
沒蕃老將上樓時
照他幾許人腸斷
玉兔銀蟾遠不知
   中秋月
   白居易
     http://www.xysa.com/quantangshi/t-439.htm


なげけとて月やは物を思はする
    かこちがほなる我が涙かな
          西行

もう帰らぬ恋人よ、
冷たく白い月の光は
無心に心をかき乱す



月は無心に清い光を万里に投げかけている
見る人の愁いを添え、恨みをましながら、天空を巡ぐる

遠く隴外に遠征して故郷や妻や子を思い出す兵士がいる
どこかの庭先では新しい別れに涙している人を照らす
帝の寵を無くし宿下がりをしている女官を照らし
敵の捕虜となった老将が高い楼に登るのを照らす

月はさまざまな場所で人の悲しみを照らしている
それでも月には遠すぎてわからない




お月さんは遠くから綺麗か光を万物に投げかけている
見る人の怨みやつらみを光に加えて空を巡っている
遠征して妻や子供を思い出している兵士もおる
どっかの庭先じゃ別れに涙している恋人たちもおる
帝の愛をなくして宿下がりしている女官もいる
捕虜になった兵士も照らしている

いろんなところで月の光はさまざまな人の悲しみを照らしとる
でも月にはあまり遠すぎてその悲しみが届かんちゃ


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