夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

もっと光を!  国際都市いすみ市のケース

2011年11月11日 08時38分41秒 |  岬な日々



おいちゃんは言われた。
「光あれ!」
こうして、光があった。
おいちゃんは光を見て良しとされた。
         チビ太版旧約聖書より




先日来の数回の伐採で、我が家の周りもずいぶんすっきりしました。
一番の難関は入口にある大きな楠。二階建の屋根部分を覆ってしまうくらいの大きさでしたし、間には電気や電話の線がごちゃごちゃ。

とにかく屋根を覆っている木々の伐採が最優先とばかりに、何度かに分けてだいぶ刈りとりました。
今回はリビングからの視界の確保。
美観保護条例の精神に基づくものでありましたんねん。
上の写真でお分かりのように、これまでの伐採でずいぶんとすっきりはしているのですけど、まだまだ物足りません。

そして、「もっと光を!」だし、
万の風を欲しい。



ということで、いつもの便利屋さんに連絡。ところが彼が連れてきたのは外人さん二名。アメリカ人だそうですがな。



いすみ市にも別荘や、老後を過ごす外人さんはたくさんいます。
家のそばには外人コロニーまであって、外人用のログハウスなんかが立ち並んでいたりして。
でも、これらは生活に困らない階層の人々。
彼らは以前、便利屋さんが一人の一日作業での見積もりを聞いて、「それでいいよ」なんて、こちらがこの人たちの生活費はどうなるんだろうって心配になるくらい。

見積もりも心配なら、この人、木に抱きついてるけど、頭の方は大丈夫?
そっちも心配?



心配を抱えながらも、交渉成立。
翌日には作業開始。
あっという間に伐採完了。
でも、バケツくらいのスズメバチの巣があったり、、、
いろいろ、細かいことはありましたけどね。

先日も、行きつけの鮨屋で合併浄化槽についていろいろとうんちくを垂れてくださったカナダ人さんもいるし、、
隣の別なカナダ人、私が始めてつかった英会話の教本の作者だったし。
そこにはアメリカ人、そしてちょっと先にはカナダ人のプロの写真家もいるし。(カナダ人の方は二三か月前に、キャノンの「残したい日本の風景」で2回連続で特集されていた人)
レストランのオーナーなんかのことも数えだすときりがないくらい。
いすみ市にはいろんな外人さんが住みついているんだ。
いすみ市はうらびれた外観に惑わされていると、中へ入って吃驚するくらいに国際的な街なのだ!

なんてことをいいながら、岬の我が家、もっと光が増えました。








ところで、「もっと光を!」(Mehr Licht!)
かの有名なドイツの文豪の最後の言葉ですな。
おいちゃんは今日から、発作以来初めての上京。
おいちゃんはドライブそのものはたぶん大丈夫だと思っているのですが、、、たぶん。
途中で、車の前に天が落ちてきたりしたら、注意されている心拍数が上がりすぎて、、、、
もう光りを拝めなくなったりして、なんてことを心配している様子です。
まあ、おいちゃんにしてみれば、せっかく、たくさん光を見られるようにしたのに翌日にはもう無駄になるってのは残念かもね。

それよりもチビ太はそのおいちゃんの車に載せられるのだから、おいちゃんが事故れば、チビ太も危ない。
なんて、これこそ「杞憂」ってか?




蛇の足
家の周りにはえているカクレミノを見たこの外人さん。
これはScheffleraというとても珍しい木で、高価な木。根っこは生薬になるし、ビールなどにも使えたかもしれないなんて言い出しました。
葉っぱを見ながら、これは右回り、左回り、中央、、、、なんてブツブツ言っています。普通の卵型の葉や4裂になったもと、ほんといろんな葉っぱが出ていますね。「これがこの木の特徴の一つだよ」なんて言っておりました。
その中で一番大きなカクレミノを傷つけないように周りの木を切るときにはずいぶんと気を使っておりました。

カクレミノ、たしか中国原産ですよね。だから家の庭などには実生でずいぶんと生えてきている。これらを見せて、「こちらでは珍しくもなんともないよ」なんて言っていたのですけど、彼は最後までとても大切にしてくれました。そちらに気を取られ過ぎて、危うく大きな木を一本、家の方へ倒しそうになったりして。いや、ほんとうに倒れたんです。幸いベランダの一部に枝がかかったくらいでしたけどね。
家よりもカクレミノのほうが大切なんか!

カクレミノ、普通見るのは2,3メートルですけど、この木はずいぶんと成長していますね。もっとも図鑑では9-10メートルになる高木って書いてあります。普段、そんな大きいのは見たことがないので。
ほんとに何が嬉しくってこの木をわざわざ植えるのかと思うくらいですけど、家の目隠しなどや、公園の木の下に植えられていますよね。



日本ではありふれた木、我が家では邪魔で、すぐさま切られてしまう木。
こんなもんでも、よそさんに行けば値段が付くし、貴重品扱い。
もっと風通りが良くなれば、貧乏な岬でも裕福になれるのかな。
岬に住んでいる、「ものすごくきれいな」コロンビア人の姉妹。
あの二人の故郷だって、あそこではごくありふれた草で金もうけしているもんね~
まあ、日本が国を閉じていたから、オランダは金儲けさせて貰ったのだし、その遺産の脛をかじらせてもらった私としては文句は言わないけど。
でも、花卉への輸入制限があったころ、チューリップの日本での最大の産地の一つの市長さんが言っていたこと、「ねぇ、おいちゃん。オランダからのチューリップの輸入を禁止して、でも日本産は輸出しているし、アメリカではオランダのライバルなんだよ。公正な競争をしていないって言われるのが一番つらい。輸入は自由化すべきだよ。それで競争力を付けなきゃ、何時まで経っても日本は駄目なままだよ」
同じことをオランダが技術協力して作った八郎潟の農家からも聞きました。
中央に上がっている農家の声と、圧力と、私が見聞きしていることとはずいぶん違うよねって、、、、、
どうなっているんでしょうね。