通常国会で岸田文雄首相に対する代表質問が行われているが、この中で野党の姿勢の変化が見えている。
立憲民主党は、泉健太代表が「批判ばかりではなく、提言重視に変える」としていたが、これに対し党内からも異論が出たこともあり、それなりに批判を含めた質問をしているが、迫力に欠けている。
これに対し、日本維新の会の馬場伸幸共同代表が、従来の与党応援質問からがらっと変えて、かなり辛辣な質問をしているようだ。
立憲民主党が先の衆議院選挙で敗北し、泉新体制に代わったが、各種世論調査で全政党の中で最も支持率を落している。中には維新の会を下回る結果になった調査もあった。
その理由を想定すると、1つは泉代表の知名度や若い感じに対する信頼性の低さ、1つは、野党の本分である政権チェックを緩めたこと、1つは野党共闘を解いたことなどが上げられる。
泉氏が協調している提案型への変換は、その内容の共感性、実現性が伴わないと単なるアドバルーンになってしまい返って不信感に繋がる恐れがある。「生兵法は大怪我の基」の類になる。
やっぱり、野党の本分は政権に対する厳しいチェックにある。批判ばかりしているとの批判は、それだけ与党や、与党応援団からしてみると打撃を受けていることを裏付けている。
チェックと批判は異なるもので、チェックの結果問題があれば、それを批判することは当然のことだ。それすら出来ないというのなら、最早、政党の体すら成していなことになる。
立憲民主党の成り立ちは、保守に対するリベラル政党の必要性から多くの支援者の期待のもとにスタートした。
立憲民主党は、「野党の本分の政権チェックを果敢に行う政党」として国民の信頼を得ることに重点を置くべきだ。その積み重ねの上から、いずれ政権政党に躍進する芽が出てくる。