今日は、6434人もの犠牲者を出した阪神・淡路大震災から27年目に当たり、被災地では地震が発生した5時46分52秒に黙とうが捧げられた。
その日を前に昨日、日本時間午前1時頃、トンガ沖の海底火山で発生した噴火により日本列島及び周辺諸島で津波があり、長時間にわたり警報、注意報が発令され緊張状態が続いた。
警報、注意報は昨日午後1時に解除されたが、日本では鹿児島県の奄美大島の小湊では1.2メートル、岩手県の久慈港で1.1メートルの津波を観測した。
津波警報、注意報によって約22万9千人に退避指示がでた。やはり、東日本大震災による巨大津波の大被害や、想定される南海トラフ地震などを念頭においた対応とも取れる。
その中で高知、徳島両県の港で漁船28隻が流されたり転覆するなどの被害があった。この津波は、太平洋圏の各国や島々に到来、南米ペルーでは2メートルを超え、車がさらわれて女性2人が死亡した。
トンガに近いニュージーランドや太平洋諸島では1メートル前後の津波があり、島国バヌアツで1,4メートルを観測した。
アメリカ西部カリフォルニア州やアラスカ州で1メートル以上の津波を観測。南米チリでも1.7メートルを観測した地点があるなど、噴火の影響の大きさが示された。
17日午前現在、海底噴火によりケーブルの切断と思われる原因で、トンガとの連絡が取れず周辺も含めて被害の全容は不明だ。
火山噴火が潮位上昇を起こすことはまれといい、気象庁の担当者は「経験のない事例」と驚きを隠さない。
通常、地震による津波は、断層運動によって海底が隆起、沈下し海底から海面までの水が大きく変動することで発生する。
遠方の海域で津波が発生した場合、日本にたどり着くまでに複数の観測地点を経由し、規模や到達時間が予測できる。しかし、今回は海面の変化が早すぎ予測が難しかったようだ。。
今回の津波は、海底火山の噴火が原因であることは間違いないが、謎めいたメカニズムについて、噴火で発生した「空振」と呼ばれる衝撃波の可能性があるとの見方が出ている。
今後、さらに科学的な検証によってメカニズムが解明されよう。