日本の経済成長が低迷している中で、世界は、デジタル化の進行など、技術革新が著しく、技術立国日本としての存在感が以前のような輝きを失いつつある。
デジタル化は遅れ、電気自動車(EV)、電化製品、半導体、造船、鉄鋼などかつて日本の得意芸であった製造業が中国、韓国に先んじられ、シェアを奪われている。
その原因は様々だが、その一つとして政治、経済分野の指導者の先見性や洞察力など能力不足にあるのではないかと考えられる。
以前は、日本の政治は3流、経済は1流などと言われたが、現在は両方とも3流に落ち込んだようにも見える。
見方を変えれば、政治、経済とも指導者が小粒になり、世界レベルに並ぶ人物が少なくなっているように感じられる。
取り敢えず政界はさて置き、経済界をみると、いわゆるサラリーマン経営者が増え、自己防衛に汲々となっているのではないかと推察する。
これら経営者の目は絶えず株主に向けられ、従業員への対処が以前に比して軽んじられているように思える。
かつて、従業員は会社を愛し、会社のためならあらゆる努力をすることを惜しまなかった。その結果、優れた製品が生まれ業績向上に繋がった。
会社愛を形作っていたのが、年功序列賃金であり、企業内福祉などだった。運動会や慰安旅行なども行われ、結束を培っていた。
いわゆる日本型経営と言われ、それが強みとして世界から注目を集めていた。
しかし、グローバル化が進み、徐々に日本型経営から欧米型経営に傾斜していく中で、経営者がこつぶ化し、従業員の企業への帰属意識が薄れてきた。
その結果、世界に冠たる日本の製造業は輝きを失い、今では日本経済の国際競争力も世界で31位という状況になっている。
経済のグローバル化が進む中で、日本型経営が世界のどこよりも優れているとは言い切れないが、少なくとも、日本型経営による成功例を自ら進んで失うこともなかった筈だ。
結果、急速に欧米化したことによって、他国に並ばれ、徐々に追い抜かれてしまったことは間違いない。
やはり、この間の政治、経済における先見の明を持ったリーダー不在が日本経済を失速させてしまったのではなかろうか。「関連:1月6日」