22日に発表された08年度の経済財政白書によれば、02年に始まり戦後最長となった景気拡大は、アメリカ経済の減速、原油・原材料価格の高騰を受けて「黄信号がともっている」と指摘、海外発のリスクに弱い日本経済の体質を改善することが必要だと提言した。
白書によれば、景気拡大局面における実質国内総生産(GDP)成長のうち、6割超が輸出増加によるものと分析、この割合は戦後の景気回復局面の中で最も高いとのことだ。
そのため、アメリカのサブプライム破綻など海外の動向に左右されるもろさが指摘され、具体的には原油・原材料高に対する弱さだ。70年代の石油危機の直後は省エネが急速に進んだが、近年はエネルギー効率がほぼ横ばいで産業界が手を緩めたと指摘している。
景気拡大の中で、個人消費が盛り上がりに欠けたままであることも指摘、中国などの新興国で低賃金労働力が増えて、世界的な企業間競争が激化して、国内でも賃金が伸び悩み、パートなど非正規雇用者の比重が高まったことも理由の一つに上げている。そのためには、専門性の高い「高度人材」を育てるべきだと提言している。
さらに金融資本市場も海外経済の影響を受けやすく、不安定なことも問題視し、1,500兆円に及ぶ家計の金融資産が、年金など間接的なルートも含めて株式投資に回るよう、市場の厚みを増すことが重要としている。
ここまでは誰でも分かっているような内容だが、今回の経済白書で気になるのは、わが国経済の成長を図るためには、企業も個人もリスクを取ることだと言っていることだ。
言外に企業の場合は、例えば終身雇用制度など従来からの日本式経営では、今後成り立たないと言っているようだが、欧米型経営が万能である筈もなく、従業員のことを考える日本式経営の方にメリットがあると思っている経営者にどのように変えたらよいのか示していない。
また、家計もリスクを取る必要があると言っているが、約1、500兆円の個人金融資産のうち、約半分は現金・預金であり、これらは有効に活用されていないので、経済、企業を活性化するためにこれを投入する必要があるとしている。
端的に言って、これらの個人資産を元本の保証されていない株式、投資信託などに資金を回せとしているが、儲かるかどうか分からない株式、投資信託といったリスク商品に投資するよう政府が国民に進めていいものか。
まるで、政府が堀江貴文氏や村上世彰氏がやっていた商売に加担しているような言い方であり、衰退が濃厚なアメリカの市場原理主義をなぜ今わが国がまねなければならないのか、今回の経済白書の希薄さが目につく
白書によれば、景気拡大局面における実質国内総生産(GDP)成長のうち、6割超が輸出増加によるものと分析、この割合は戦後の景気回復局面の中で最も高いとのことだ。
そのため、アメリカのサブプライム破綻など海外の動向に左右されるもろさが指摘され、具体的には原油・原材料高に対する弱さだ。70年代の石油危機の直後は省エネが急速に進んだが、近年はエネルギー効率がほぼ横ばいで産業界が手を緩めたと指摘している。
景気拡大の中で、個人消費が盛り上がりに欠けたままであることも指摘、中国などの新興国で低賃金労働力が増えて、世界的な企業間競争が激化して、国内でも賃金が伸び悩み、パートなど非正規雇用者の比重が高まったことも理由の一つに上げている。そのためには、専門性の高い「高度人材」を育てるべきだと提言している。
さらに金融資本市場も海外経済の影響を受けやすく、不安定なことも問題視し、1,500兆円に及ぶ家計の金融資産が、年金など間接的なルートも含めて株式投資に回るよう、市場の厚みを増すことが重要としている。
ここまでは誰でも分かっているような内容だが、今回の経済白書で気になるのは、わが国経済の成長を図るためには、企業も個人もリスクを取ることだと言っていることだ。
言外に企業の場合は、例えば終身雇用制度など従来からの日本式経営では、今後成り立たないと言っているようだが、欧米型経営が万能である筈もなく、従業員のことを考える日本式経営の方にメリットがあると思っている経営者にどのように変えたらよいのか示していない。
また、家計もリスクを取る必要があると言っているが、約1、500兆円の個人金融資産のうち、約半分は現金・預金であり、これらは有効に活用されていないので、経済、企業を活性化するためにこれを投入する必要があるとしている。
端的に言って、これらの個人資産を元本の保証されていない株式、投資信託などに資金を回せとしているが、儲かるかどうか分からない株式、投資信託といったリスク商品に投資するよう政府が国民に進めていいものか。
まるで、政府が堀江貴文氏や村上世彰氏がやっていた商売に加担しているような言い方であり、衰退が濃厚なアメリカの市場原理主義をなぜ今わが国がまねなければならないのか、今回の経済白書の希薄さが目につく