正さん日記

世の中思いにつれて

イラン核協議にアメリカも参加

2008-07-21 16:35:21 | 世界
 ブッシュ米大統領の任期は6ヶ月を切ったが、何とか目に見える足跡を残そうと懸命になっている様子がありありだ。
 先には、北朝鮮の核放棄を安売りしてテロ支援国家指定解除を提示したが、こんどはイランの核協議に、ナンバー3の国務次官が初めて会議に出席した。
 これに対し、イランも歓迎の意を示し、核協議に一定の前進が図られるか期待がかけられている。
 ここ数日までは、イランとイスラエル間に不穏な空気が流れ、前から危惧されていたアメリカのイラン攻撃の現実化に世界の関心が向けられていたが、今回アメリカの核協議への参加によって、一先ずその危険性が回避されたと受け止められている。
 
 まことに結構な話で、この動き自体は大歓迎だが、果たしてこれを契機にイランが核開発を中止するかと言えばそう簡単ではあるまい。
 それは、イランも北朝鮮同様、ブッシュ大統領の意図をとっくに見抜いているため、簡単に核開発の譲歩をすることは考え難いからである。
 ブッシュ氏は、イランへの強攻策を緩めた真の狙いとして、イラク、アフガニスタンの安定化にイランの力を借りたいことがあるかも知れない。
 イラクに対しては、先に3万人を超す増派を議会にかける段階でも、民主党と共和党の一部からイラク安定化のためイランの協力を要請したらどうかとの提起があったが、ブッシュ大統領はこれを拒否した経緯がある。
 また、アフガニスタン情勢は、最近ではタリバンが復活し、米兵の死者はイラクを超すという事態になっている。アフガン平穏にもイランの力を借りたいのでななかろうか。
 
 ブッシュ大統領は、任期満了を直前に、今までの強行策では、イラク、イラン、アフガニスタンのいずれもやりっ放しで終わってしまうことを恐れているに違いない。
 しかし、この変節は今となっては遅きに失したのではなかろうか。イラクは一時より少しは良くなってきたようだが、撤兵するまでにはほど遠いし、アフガニスタンは前述のとおり厳しさを増している。
 ブッシュ大統領が、最終段階でまあまあの結果を残したとするならば、パレスチナのハマスとイスラエルの休戦、北朝鮮の核開発中止、そうしてイランの核協議へ参加ぐらいなものだろう。
 しかし、経済問題ではサブプライム破綻を契機とする金融危機は少しも収まっていない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 立ち入り困難な、子供の心の闇 | トップ | 正社員減少に警鐘ならす=労... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

世界」カテゴリの最新記事