正さん日記

世の中思いにつれて

41年前の強殺事件、布川事件で高裁が再審認める

2008-07-14 22:29:32 | 社会
 1967年に茨城県利根町布川で男性(当時62)が殺害され現金が奪われた「布川事件」で強盗殺人罪で無期懲役が確定し、現在、仮出所中の2人の男性が裁判のやり直しを求めた第2次再審請求の即時抗告審で、東京高裁は14日、水戸地裁土浦市所が出した再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却する決定をした。
 決定について、東京高検側は最高裁に特別抗告をするかどうかが注目される。
 
 この事件は、被告人の自白の信用性を認めて、結審されたが、その後自白が強要されたとして、無実を訴えていた。
 経緯としては、1978年に無期懲役が確定、2人は2001年に2度目の再審請求を水戸地裁土浦支所に起こし、2006年に再審開始決定、水戸地検が東京高裁に即時抗告をしていた。
 
 再審が認められた理由としては、被害者の男性の自宅近くにいた女性の目撃証言と、「ひもなどで首を絞めた可能性が高い」とする鑑定結果を検討した結果、「有罪判決の重要な根拠に重大な疑問が生じ、確定判決の判断を維持できない」と結論づけている。
 その裏づけとして、男性の殺害方法をめぐって2人の証言が変換したことを指摘。現場にあったロッカーを物色した供述内容が客観的事実に合わないことや、2人の指紋や毛髪は現場から見つからなかったこととあわせ、「自白の信用性を疑わせる」と指摘した。
 検察側が提出した自白録音テープに中断などの形跡があったことについても「取調官の誘導のあったことをうかがわれる」と認めた。
 
 これまでも、再審開始が決定した大事件は、免田事件、松山事件、島田事件など数多いが、自白の強要によるものが多く、やり直し裁判で、無罪判決に至ったケースがほとんどだ。
 
 自白の強要は、今でも指摘され、取調べの模様をどの程度、公表するかが検討課題になっているが、裁判員制度のスタートを来年に控え、いかにして冤罪をなくすことができるかは喫緊の課題だ。
 布川事件の2人は、逮捕された1967年10月から、仮釈放された1996年11月での29年間獄中で過ごした。20歳から壮年の50歳代まで、青春時代を獄中で送ったことになる。
 もし、再審が決定し、その結果無罪だとしたら、この2人を強制的に自白させた取調官や検察の罪は極めて重い。
 
 最近、鳩山邦夫法相が宮崎勤はじめ死刑執行を頻繁に行っている。死刑制度については、廃止論などの議論が活発だが、絶対、死刑囚に冤罪があってはならない。死刑制度の存続は、冤罪を皆無にすることが前提だ。
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