正さん日記

世の中思いにつれて

収まらないアメリカの金融危機

2008-07-16 17:06:23 | 世界
 アメリカの金融危機は第2段階に入ったようだ。政府系住宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)の経営不安が浮上し、市場の混乱に直面したポールソン財務長官は、日曜日に緊急声明を発表し2社への機動的な資金供給とともに、財政資金の投入に初めて言及した。
 納税者の資金を金融機関へ投入することについては、アレルギーが強いアメリカで、政府が公的資金投入の意思を示したことはよほどの事態になっていると受け止められる。
 
 この2社は、アメリカの住宅金融と証券化金融の中核だ。ファニーメイは20世紀前半の大恐慌時代に発足、第2次大戦後は、優良な住宅ローンを銀行などから買取り、これを担保に証券を発行する「証券化」という金融手法の生みの親とのことである。フレディーマックは1970年にこれを補完する形で設立された。
 
 この2社は、サブプライムとは一線を画していたが、経営不安に陥ったということは、住宅相場が下げ止まらず、貸し倒れ不安が優良ローンにも広がったことを示している。
 2社は国有でも国営でもないが、政府の肝いりで誕生したこともあり、様々な政府支援を受け、発行する証券は、市場では、暗黙のうちに政府の保障があると見なされ、2社でアメリカの住宅金融の半分に関与し、その規模は約530兆円に上るとのことだ。
 
 当然、2社発行の証券は日本を含め世界中に買われており、アメリカ政府は2社の国有化を検討しつつ、断固たる措置をとるよう求められている。
 しかし、今回たとえ2社の危機をしのいでも一般金融機関へ経営不安が広がる第3段階の危機が避けられないかもしれず、住宅相場の下落が続き、一般企業にも景気の悪化が波及しつつあるようだ。
 アメリカの危機は世界に波及することは間違いなく、アメリカ政府は先手を取っての対策が必要になっている。
 
 ところで、この政府系住宅金融機関2社の株価は前日に続き下落、ともに終値で25%を超す急落ぶりだが、その影響があって15日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均の終値は、2日連続下落し、約2年ぶりに1万1000ドルを割り込んだ。
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