正さん日記

世の中思いにつれて

公立学校の評価高まる。大きいメディアの影響

2008-07-26 21:35:30 | 社会
 朝日新聞社とベネッセ教育研究開発センターが共同実施した5千人を超える保護者への意識調査によると、公立の小中学校に満足している保護者は8割近くに達し、先生への評価も上昇したという結果が出た。
 4年前の前回、満足度の低かった都市部や高学歴の親で伸びが目立ち、公立学校への信頼回復の兆しがうかがえる。
 
 地域別では、前回、最も満足度の低かった「東京23区と県庁所在地」が75.2%で、12ポイントアップ。学校別では中学生の子をもつ家庭で9ポイント高まり、70.1%になった。
 父兄の学歴別では「父母とも非大卒」が2ポイント増に対し、両親の少なくとも一方が大卒だと5ポイント以上上昇。母親の就労別だと、最も低かった「専業主婦」が77.0%に増え、「パートやフリー」「常勤」と並んだ。
 学校の取り組みごとの満足度を見ると、最も伸びたのは「教育方針や指導状況を保護者に伝えること」(情報提供)で8ポイント高まった。
 このうち、小学校は「学芸会や音楽会などの文化活動」が7ポイント、「情報提供」が6ポイント増。中学校では「情報提供」「道徳や思いやりの心を教えること」「社会のマナーやルールを教えること」がいずれも10ポイント伸びた。
 
 教師や学校への評価も高くなった。 「学校の先生は信頼できる」(「とても」「やや」の計)と感じる保護者は56.8%で9ポイント上がった。「先生たちの教育熱心さ」に満足しているのは64.0%と3ポイント増。「教科の学習指導」への満足度も72.6%と3ポイント増えた。
 一方、「学校は一人ひとりに応じた教育を行っていない」という答えは54.4%と8ポイント減。「先生の教える力が低下している」と感じる人も49.4%と4ポイント低くなった。
 
 こうした結果を、複数の専門家に読み解いてもらったところ、「情報公開や学力向上への取り組みを肯定的に評価する層が増えた」という分析の一方、「不満層の子どもの一部が私立や国立の中学に進学して調査対象から抜けた」ことや「学校への期待水準が下がった」ことが一因という見方もあった。「朝日新聞」
 
 ここまでは朝日新聞記事の抜粋だが、このような結果になった要因は、確かに上記三行の見方はあるとしても、何と言ってもメディアの影響が一番大きいのではなかろうか。
 ここ10年来、政府・与党議員らの発言を捉えてテレビを中心に学校、教員に対する猛烈な批判報道が展開された。しかし、その後これらの議員やメディアが学校現場に入ってみると、予想とははるかに異なった学校や教員の厳しい仕事の実態が明らかになり、その中で懸命に子供の教育にたずさわる多くの教員の姿が浮き彫りにされた。

 このような過程を経て、子供の教育は学校だけに任せるのではなく、家庭、地域が一体となって取り組まなければならないことが分かってきた。
 最近のテレビなどメディアから、一方的な学校や教員への批判は影を潜めている。なんと言っても国民はメディアによって動かされることが多い。今回の学校、教員の復権はこのようにメディアの報道姿勢の変化によってもたらされたといって良いだろう。
 
 併せて訴えたい。最近続発している無差別殺傷事件なども、せんじ詰めて言えばテレビを中心としたメディアの影響が極めて大きいと言わざるを得ない。このことはほとんどの国民がそのように思っている。
 メディアは少年犯罪や無差別殺傷事件などが起こる度、さまざまな形で報道を競い合っているが、その方法や普段の報道内容の中に、これらの犯罪を起こす要素が含まれていないのか、充分吟味をしてほしい。
 それだけ現代社会は、メディアの影響力が圧倒的だということを改めて自覚しなければならない。
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