DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

田中一村 新たなる全貌★9/13 千葉市美術館

2010-09-15 | ドラマ・映画・演劇・アート

田中一村 新たなる全貌

会場風景公式動画

田中一村は、大胆な構図と色彩が印象的で、
前々からずっと気になっていた画家。

展示会の告知を見てから
「行きたい!でも千葉駅はちと遠いなぁー・・・;」
と葛藤していて・・・。

で、いったんはあきらめたのですが、
今日、仕事で日本橋に出て「もし15時までに終わったら・・・」と思っていたら無事、14:45に終了、これはきっと「お行きなさい」という絵画の神様の啓示♪
(と、都合よく神様が登場する、やおよろず志向なわたくし)

東京から45分、16時すぎに美術館に到着。
2時間あればなんとか、と思ってたのですが、受付で「作品点数が多いのでお急ぎください」というアドバイスが。@@;;

初期作品の第1部(8F)と、有名な奄美の作品を中心にした第2部(7F)のフロア構成で、第2部から見る方々も多い様子。

私は何分初対面なので、美術館の趣向を受け入れて
まずは白紙の状態で第1部から・・・。
が、これが一筋縄ではいかない作品群。

8歳で描いたという掛け軸の大胆さ、筆の生々しい勢いに
しょっぱなからぐわしと胸ぐらをつかまれ、引き寄せられる。
単に絵がうまい子ども、ではなく、
芸術の神に愛でられた才能が、子どもの筆に宿っている。

面白いのが奄美時代に通じる、色彩センスや表現手法が初期から垣間見られること。
言い換えれば、作風が不安定な感じもありつつ・・・。
それでいて、どの作風でもきちんと成立させる律義さ、真面目さ、こわいほどの絵への思いと技量。
器用なのではなく、作品に誠実で不器用な天才という印象。

ただ、その誠実な試行錯誤は、流派を形成する画壇には
受け入れられなかっただろうなぁ、と・・・。

その後、きっぱりと画壇と決別し、我が道を追及しつづけた軌跡には、ほとんど迷いが感じられず、描きたいものをしかと見極めきれる人間の強さも感じたり(描きたい作品を具現化するための葛藤はあったとしても・・・)。

5時をめどに第1部を見て、ココロを残しながらも
第2部へ。

一村に改号してからの作品たち。

絵への向き合い方は、ますます真摯に。
それでいて、ユーモラスなしかけや視点に
心がほどけます。
シンボルのようなトラツグミが、愛らしい。
この色を、この線を、この空間を描くために、
筆を進める画家のワクワク感が時間を超えて伝わってきました。

それでいて、絹におかれた絵の具の濃淡、色彩、タッチは
精緻を極めていて、見飽きません。

作品の瑞々しさにも息をのむばかりで、
ぽったりと絵の具をふくんだ筆の動きが心地よい。
絹絵、紙絵、それぞれに技巧もこらしながら
絵の前にたつと「これが描きたかったんだ!」がストレートに
ぽんとある・・・。

ほとばしるような絵を描く楽しさ、喜びがあふれていて、なかなか次の作品に進めませんでした。

奄美時代はさすがの圧巻。
「枇榔と浜木綿」「枇榔樹の森に浅葱斑蝶」「榕樹に虎みゝづく」 「枇榔樹の森」「不喰芋と蘇鐵」「アダンの海辺」・・・
美しい、というよりは、これが描きたい!!!という叫びが聞こえてくるようで、もはやマクロス状態(「オレの歌を聴け!」ってわかりませんよね;)
あ、でも主張しているのではなく、
描きたいから描く、の極地というべきなのかも。

緻密で綿密な下書き、スケッチを重ね
少しずつ完成を目指しながら、描きたいものにやはり
一切の迷いも妥協もなく・・・

特に未完の作品の「枇榔樹の森に赤翡翠」の完成にいたる
道筋はなぞ解きのように魅力的で、
時間がないというのに、つい何度も戻ってしまったーーー;

1つ1つの作品に添えられたていねいな説明、落款などから推定しつつ、連作を発見したりしつつ、全体を構成した、企画者の力量も感じつつ。

襖絵、貴重な天井画なども興味深かったです。

いやぁ、息がつまるような濃厚な作品群でしたー。
でもなにも考えずに、ただただ絵を呼吸することができました。

次に再会した時は、私ももう少し落ち着いて
楽しませていただきたく♪
また1つ、一生の宝物のような出会いがあったことに感謝☆







※公式サイト:建物を象徴するのは1-2階のさや堂ホールで、昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店の建物を保存・修復、さらに現代の文化活動に対応できるスペースとして改修されました。
この市内に残る数少ない戦前の建物を包み込むように建てられた美術館は、平成6年に竣工、翌年の開館時より新旧の建物が一体となってユニークな文化創造の場を提供しています。


おまけ:





Qiball
疲れて変える途中、目にはいって、ついつい見に行ってしまった(汗;
好きだなぁ、こういう建築物。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブリューゲル版画の世界★8/24... | トップ | 9/21★草間彌生展&アトレ吉祥... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (よしはら)
2010-09-19 19:57:36
紹介してくれて ありがとうございました
あやうく見逃してしまうとこでした
いやー ほんとーにヨカッタですなー
返信する
よしはら様 (NAL)
2010-09-19 22:06:47
見に行きはったんですね。
日曜美術館で火がついたっぽいですね。
私は、大阪の母が高島屋かなんかで見て、実家に図録があったんで
ずっと見たかったんです。

平日間際だったから、時間はなかったけど&空いてはいなかったけど、けっこう1枚1枚独り占め状態で贅沢に見れました。ラッキー♪
なにげない葉っぱの重さにすっかり惚れました。
返信する

ドラマ・映画・演劇・アート」カテゴリの最新記事