DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

攻殻機動隊SSS★好きなセリフリスト(考察のための資料として)

2007-01-03 | アニメ・マンガ・特撮TV
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』

ネタバレありまくり。ご注意ください。

●新浜空港
アズマ「しかし、先輩も変わったね。マテバへのこだわりを捨てるとは」
トグサ「別に捨てちゃいないさ」
コアを譲らない、でも、人にどう見えていようが気にしない・・・トグサらしい割り切り感。その強さ、目指したい。

●九課ヘリポート
荒巻「パンドラの箱を開けたことを誰も知らなければ、約束を破ったことにはならんよ」
うーん、素敵だ。こういう発想ができる大人になりたい!言ってみたい!!

●マジャバの病院
クロマ「車の趣味、変えたの?」
バトー「はっ!いつのまに…」
クロマ「でも悪くないわ」
一言なんだけどバトーへの愛を感じますた。

●九課地下駐車場
荒巻「………命令が無かった事を残念と取るかむしろありがたいと取るかで、今後我々が進むべき道も変わってくる。」
「……お前の言いたいことはよく分かる。だが少佐が二度と戻らないという可能性も考えておかなければなるまい。奴の才能はエスパーよりも貴重な物だったし、あれの代わりを担える者など存在せん。」
指揮官としてあるべき責任の取り方と考え方。全体を俯瞰してピンポイントをはずさない、思考スイッチの適確さ。<好き♪

●港北電脳施術病院
草薙「システムというより、介護ネットに繋がった老人たちの総体と言ったほうが良いだろうな。だがそれとは別に、それを束ねるハブ電脳が存在する」
バトー「ハブ電脳?」

草薙「リゾームに中心という概念は存在しない。だからハブは絶えず移動、もしくはリゾームその物であるかのように振舞っている」
説明セリフですが、WEB2.0的総体とリゾームの考え方が個人的に興味深い。

●ビル内部
バトー「なぎ払え!」
タチコマC「ラジャー」
や、意味もなくうけました。なうしかりすぺくと。w

●教育区画
宗井「公務員のくせに、この国がどれだけ危機的状況にあるのか理解していないようだな。今のままではそう遠くない未来に、我が国の繁栄は他民族に取って代わられる。それを防ぐために、この身寄りの無い子供たちに税金を掛け教育を施し国の将来を託す。その何処に問題があると言うのかね」
荒巻「その税金も、老人や難民をここに繋ぎ止めることで搾取した金でしょう」
宗井「それも仕方あるまい。考えてみろ、彼らはこの国のために何をした。家族も子供も作らず納税の義務を果たさず自分の好きなように生きて、歳を取ったから面倒を見てくれでは虫が良すぎる。私に言わせれば、歳を取った分働けなくなった分納税しろと言いたい」
荒巻「詭弁ですな。ならあなた方政治家は今まで何をしてきたのか。自らの保身・虚栄心を優先する余り実問題を後回しにしてきた責任は誰が取るおつもりか」

草薙(傀儡廻)『この国はいい加減、誰かが何とかしなければいけない状態に来ている。六百万を超える貴腐老人、失業率の増加と反比例するように減少を続ける労働人口、そして少子化。挙げ始めたらきりが無い。知っているか?これだけ少子化が叫ばれる中、年間五万人もの6歳未満の子供が無意味に命を落としている事を。その内の三割はドメスティックな暴力による虐待死、しかも内の八割は…』
傀儡廻[児童相談所や警察など関係機関が自体を把握していたにも関わらず、防ぐことが出来なかった物だ。この国のシステムは既に崩壊し、個のポテンシャルは著しく低下してしまっている]
[私は無意味に損なわれてしまうゴーストのリサイクルを思いついた。虐待監視ネットから危険な子供を見つけ出し、戸籍をロンダリングする。それで新しい人生を歩ませようと考えたわけだ。]
草薙[それがSolid Stateシステムの基本概念か]
傀儡廻[そうだ。だがそれには貴腐老人たちの協力は不可欠だった。彼らは自分たちの存在意義を見出す事に対しては貪欲だ。DNAを残せなかった代わりに、記録上のポスティリティを作り財産を譲り渡す。それで資産を国に没収されることなく、経済行為に加担し続けることが出来るわけだ。彼らは喜んで賛同してくれた]
本作のテーマであり心臓部。最初に見たとき「ここに落とすのか!」と驚きました。超少子・超高齢化時代・・・「今」という時代を受け止め消化した脚本と監督のセンスに拍手です。戸籍ロンダリングという視点は犯罪者にはありそうですが。ある種・公的な人買いシステム・・・どうにもきなくさい住基ネットとの絡ませ方が秀逸だと感じます。

草薙(傀儡廻)『子供を拘束してしまったからだ。せっかく新しい人生を歩ませようというのに、洗脳エリートにしたのでは意味がない。教育は必要だが、野に放たなければ強い意志は芽吹かない。』
人間教育の考え方。一言だけどささりました。

●聖庶民救済センタービル前
荒巻「……一つだけ言える事は、我々は自らを律するルールの中で不条理に立ち向かって行くしか無いということだ」
トグサ「………。願わくば成長した彼らが、将来個のポテンシャルを上げて我々の出せない答えを見つけ出してくれることを祈るばかりだ…」
個のポテンシャルという表現は、最初に見た時に一番印象に残った言葉。ルールがあるから個の不条理が起る。でもルールがなければ個を活かす条理も生まれない。今回の素子の結論でもあると思います。

●九課レクリエーションルーム
草薙「私は何に達観していたのかしら。何を探してネットを彷徨って居たんだと思う…?真理、知己、それとも特定の誰か…。もしかしたら自分の非力さを、組織やシステムのせいにしていただけなのかしら」
バトー「なぁんだ。ずいぶんとしおらしいじゃねぇか。色々やって気がすんだか。で?これからどうする?また“個人的推論に則った事件への介入”ってヤツを一人で続けてくつもりか」
草薙「それも限界かもね…。規範の中に居るときは、それを窮屈と感じるけど。規範無き行為はまた行為として成立しない。結局堂々巡り」
素子としては少々語りすぎかな、と感じるけど。まぁわかりやすいといえばわかりやすいかな?次へ続く締めとして必要だったのでしょう。


草薙「バトー。それにしても、ネットは広大だわ。もう既に、私達の知らない次の社会が生まれ始めている」


参考:
攻殻機動隊PKI
STAND ARONE CONPLEX Solid State Society (全セリフ収録)※ネタばれあり

『攻殻SSS』文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞

Production I.G

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攻殻機動隊

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
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4 コメント

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cyber based network (puppetter-HA)
2007-01-03 20:05:34
「バトー。それにしても、ネットは広大だわ。もう既に、私達の知らない次の社会が生まれ始めている」

そう感じます。そこへ又身を暫く投じます。

■マテバ
トグサはマテバを常用しなくなったのは例の裁判沙汰からかと思います。
傀儡廻にハックされた際自殺しようとした銃はマテバでしたからやはり
マテバが好きなのでしょう。

■Production IG
何気なく同社のビルが冒頭から出ていました。

■リゾーム
PC用語ではお馴染の「ポリシー」が同義語かと。

■バトーの車
車種は違いますが明らかにサスはストラトス仕様の感があります。
つまり「大規模改造」したのかバトー?

■鷹の目
鷹の目銃戦でのECMジャミングによる通信逆流は現在考えられる
危惧する電子戦の一つです。
arpがかかりactを返すので敵はメクラに出来るが自分の所在がバレル
というのが弱点です。このシーンは正解かと。

■老人問題と幼児暴力
リアルな社会問題を扱いましたが過去シリーズと押井映画との差が
ありました。時間的な制限があったかと思われます。又展開が20分
程で分かってしまったのが残念でした。
(最後「彼」を出したのはバレバレでした)
未だ押井氏を越えていないというか、原作を超えていません。

■タチコマ
何故に物理的にも蘇るのか不明でした。
ここは意見が分かれるところでしょう。

■ハブ
通常ハブは「分岐場所:中継点」です。
ここを介す場合現在ではバカハブではなくスイッチハブが常用
されています。確かにこうゆう世界が来る可能性は0ではないかも。

■素子
素子のウエストが細くなってました。
義体を変えたのでしょうか?

■操り義体
素子は「2体」までが限界と言っていましたがどうも「彼」は
かなりの数を操れそうです。おまけに「死ぬ」前に逃げますから
常に何処かにスタンバイしている義体があるのかも。
(自分に分けて下さい・・・)

では、いつかまた・・・See You Online.
返信する
リゾーム (じっぱ)
2007-01-03 21:58:49
>説明セリフですが、WEB2.0的総体とリゾームの考え方が個人的に興味深い

ここは、面白いですね。

方向性を有する中心をもつツリーと、塊としての中核をもちつつ、方向性をもたないリゾーム。
本来、リゾームは多様な流れを生み出すという部分で評価されていた概念ですが、果たして、ネットは、多様な流れを産むリゾームなのか?

自由であることは、必ずしも多様であることと同義ではなく、ネットは、リゾームとなりうる構造をもっているにも関わらず、ツリーと同じく多様性を喪失しているのではないか。

などと妄想してます。

で、このあたりが、この攻殻S.A.C.シリーズの、共通テーマなんではないかと。


返信する
puppetter-HA様 (なるもにあ)
2007-01-04 01:50:49
Your majesty!コメント感謝いたします。

着眼点がまた非常に興味深い。
いろいろな方の攻殻フォーカスを知りたくなりました。

>傀儡廻にハックされた際自殺しようとした銃はマテバ
おおー!!!

>■Production IG
>何気なく同社のビルが冒頭から出ていました。
ノーチェックでした。また見直さなければ。

>■リゾーム
>PC用語ではお馴染の「ポリシー」が同義語かと。
PC用語の「ポリシー」ですね。
またチェックしてみます。
個人的には好きな考え方なので、もう少し追いかけたいと思います。

車はわからないので、残念です。
でもバトーなら車にも天然オイルとかあげちゃいそう。

>敵はメクラに出来るが自分の所在がバレル
>というのが弱点
ここは面白かったですね。きちんと世界が作られていて
理屈も通るのがすごいと思います。設定の勝利!

>又展開が20分程で分かってしまったのが残念でした。
うわー、さすがですねー!!!
私はかなりたってから腑に落ちました。
神谷さんはどちらかといえば世界観よりはインフラを描くのが
好きな監督ではないかと思うのですが・・・
「イノセンス」とは較べる術もないですが、
ドメスティックな感覚はキライではないかも、です。
(シリーズ展開しやすそう)

>■操り義体
素子は「2体」までが限界と言っていましたがどうも「彼」は
かなりの数を操れそうです。

なんというか、また記事にするつもりなのですが
リゾーム内の素子の総体、というか(うまく言えないのですが)
すでに素子ではないもののハブ電脳(ですらない?・・・)は
ネット神なのかな、と。

※昨日は1日ぼーっとしていました。(や、新年会だから余計に;)
しばらく勝手なリスペクト記事をあげる危険性(オイ)ありますが
炎を喰らう牡羊座仲間としてどぞご容赦くださいませ。
返信する
じっぱ様 (なるもにあ)
2007-01-04 01:52:24
コメント感謝いたします!

リゾームという考え方そのものが私には新鮮でした。

>果たして、ネットは、多様な流れを産むリゾームなのか?

それはせしりあ様の「ネットは広大なのか?」にも通じる視点だと
思います。
結局、最終的に設計者である人間の脳というネットワークからでられないとしたら
まさにエッシャーのように、開きながらはてしなく閉じ続ける
空間のようにも思えます。

>で、このあたりが、この攻殻S.A.C.シリーズの、共通テーマなんではないかと。
逆説的に人間・性(タチコマ含め)の可能性を語っている気がします。
閉鎖された思考サーキットだからこそのポテンシャルがあるのではないか、と。
今回はネット神の化身のような「素子」に超えられますが
結局「素子」も人間の子どもを育てようとする・・・
制御するのではなく、野に放つために。

つたなく考察中なので(や、やっぱり攻殻は活性化させられるゆえに)
またぜひご参加くださいませ。
でもまともなレビューの体裁にはなりそうもないなぁ;;
返信する

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