アンディ・ウォーホル展:永遠の15分 | 森美術館
打ち合わせが早く終わったので、花粉の中、行ってきました。
で、思い出した。私はアンディ・ウォーホルのアート性がうまく飲み込めてないことを。。。
普段はポップ代表なアート=ヴェルヴェット・アンダーグラウンド以上に有名なんじゃないかと思うバナナのアルバムジャケット、マリリンやフラワーパターンのオサレな Tシャツだったり=それなりにポジションを得て(=意味をもって)生活の中に溶け込んでいる。「かっこいい」「かわいい」で語れる世界。
が、その大昔、大規模な企画展を見て=その時もコマーシャリズムや複製アート、消費カルチャー、ドラッグカルチャー、エトセトラエトセトラの情報を「面白い」と思いつつ&びっくりするほど大きなシルクスクリーンに圧倒されながら=いつもの私流の感動がなくて「う~ン、いまいちよくわからん、ウォーホル」と思ったのだった。。。
・・・ということを、前から知ってる作品&今回はじめて見る・知る作品×情報を、どくどくと大量摂取しながら思い出したのでした。
あれからいろんな絵も見たし、人生経験もそれなりに(?)積んだ(??)し・・・そうそう、それで「ウォーホルをどう感じる?今の私」とかきっとどこかで思ってたね?自分。
結論から言っちゃいますと、なんかこう空っぽ感・真空感?というか、意味のなさの意味・のなさ?作品の向こうに作者がいないような・・・それを狙った作品・・・でもそんなの狙ってできるんだろうか?
どこか壊れた蛇口みたい・・・そんな異質感をはっきり実感。
執拗、なのに、そこに熱さを感じないというか。かえって体温(というかある種の意気込み?)を奪われてどんどんクールダウンしていく。
技術的なものやアイデア、実験、好奇心、色彩感覚、デザイン性、新規性、革新性・・・
そうしたもろもろの素晴らしさは十分感じつつ、
でもそれ以上に、
「意味を感じるな!考えるな!というメッセージ(いや決してメッセージではないんだろうど)」を受け取ってしまって、見れば見るほど消耗したのでした。
あ、そか、エネルギーを吸い取られてく感じなんだ。
普通は作品からエネルギーをもらうのだけど、そこが逆なんだな。。。
そういう意味で壁のそこここに書かれていた「ロボットになりたい」「意味なんてない」という言葉はきっと本物なんだろうな、と思ったのでした。決してメッセージから逆読みしたのではなく、鑑賞中・つい意味を探してしまって、どんどん疲弊してく感じが実感だったので。
きれい、とか、素晴らしい、とかではなく、そういう空気を作品にしてしまったウォーホルはやっぱり凄いアーティストなんだろう、と思います。(って小学生みたいな感想になってしまった;;;)
森美術館の「大量」「反復」の仕掛けにやられた部分もありそう(森美術館、今回も容赦ないです。。。ほんによい美術館です)。もし今の時代に生きてたら、インターネットという「情報の複製・反復・拡散文化」をどう感じ、どう作品にしたのか、ちょっと興味が出たり。。。
111的みどころ
●バナナのない企画展、でもニコ&ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの映像はあり。ミック・ジャガー、ルー・リードは有名だけど、オジー・オズボーン写真にはびっくり!見つけるのが楽しいかも。
●大型の実験映像空間(ここが一番ほっとした&岸田今日子さんキレイだった・・・)
●「銀の雲」(ウォ-ホルらしさはなかったけど、楽しかった。やってみたい)
●タイムカプセル(捨てられないウォーホルに親近感w)
●ファクトリー再現(「アンディ・ウォーホルを撃った女 」のミニセットみたい)
●子供の目線に展示されたシリーズ
●壁にかかれた名言集
●ショップの商品たちがそのまま「商業作品」「複製作品」である面白さ、これは草間作品にも通じるんだけど。でもいつもよりちと高いゼ・・・
あと個人的には、同じ反復×シルクスクリーン作品の横尾忠則さんの作品が放出する、大量のアーティスト発の「意味」「物語」「熱さ」との比較が興味深いな、なんてことも思いつつ、エンプティランプのともった身体をひきずって帰路についたのでした。。。
おまけ:
東京シティビューで同時開催していたのでちらっと立ち寄りました。
MEDIA AMBITION TOKYO 2014
※こちらは3/30まで。
ビュッフェ形式のように、少しずつの「意味」「味わい」が楽しめました。
無料スペースでの「INTERSECT BY LEXUS」がカメラマンでけっこう賑わっていました。
アートライブイベント「MEDIA AMBITION TOKYO」開幕
追記:自宅でダンナにもどかしくも感想を言葉にしてたら、「彼ってサバンぽいよね」と(うーむ、さすが美大出身者・・といっていいのだろうか)。。。なんかめっちゃ腑に落ちる気がした。私って、やっぱり本質的なことを理解できてない。。。でもきっと理解を超えたところにいるウォーホル・・・そゆアートもまた、ま、いいか。
(承認性にしてから気づくのが遅れ気味です;;)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとの交流とか、パンクとは近しいですよね。&売れ筋追求といいながらきちんと「世界」を作りだしたした産業ロックと、アンディ、いい視点ですね~。
(なんと10月にボストンが35年ぶりに来日します☆)
タイムカプセル面白かったですね!「エンジェル」のアルバムもあったと友人がいってました♪
そうそうそう、ボストン来日の情報を知って腰を抜かしそうになりました。ぜっっっっったい行きたいです!!
Walk onなんて歌詞覚えるくらい好きでした。ニューアルバムはまだ買ってないんですけどね。
写真と映像は十分には見れてません;;1日がかりになるかも。。。
ボストン、チェックされてましたか!さすがです。
私もニューアルバムはまだ買ってません~;;
今日は米プログレッシヴ・ロックを代表する、スポックス・ビアード(Spock’s Beard)のライヴに行きます!(ってワクワクしすぎて眠れないという;;)