DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

ブラッド・ダイヤモンド★3/19試写会:中野サンプラザ

2007-03-20 | ドラマ・映画・演劇・アート
ブラッド・ダイヤモンド

お誘いうけて試写会に行って参りました。
が、気軽に見に行くべき映画ではなかったかも・・・。
・・・でも見てよかった。

Yahoo!映画 - ブラッド・ダイヤモンド

1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの激しい内戦を描いた社会派アクション映画。“ブラッド・ダイヤモンド”というダイヤモンドの不正な取引をめぐって起きる不毛な争いをサスペンスフルに描く。元傭兵の密売人にレオナルド・ディカプリオ、やり手の女記者にジェニファー・コネリー、家族を愛する猟師役には実際にアフリカ出身のジャイモン・フンスーがふんし、緊迫感あふれる迫真の演技でみせる。地域紛争が激化する“ブラッド・ダイヤモンド”の現実問題に言及した内容について、米国務省が批判したことでも話題となった問題作。
●製作年度 2006年
●上映時間 143分
●監督 エドワード・ズウィック
●出演レオナルド・ディカプリオ 、ジェニファー・コネリー 、ジャイモン・フンスー 、マイケル・シーン 、アーノルド・ヴォスルー 、カギソ・クイパーズ

ダイヤの密売人であるダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、巨大なピンク・ダイヤを隠し持つソロモン(ジャイモン・フンスー)という男の存在を知る。一方、ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリ)は、反政府組織“RUF”の資金源となっている“ブラッド・ダイヤモンド”の真相を探っていた……。(シネマトゥデイ)



以下、ネタバレ含みます。

紛争ダイヤモンドといわれる、戦争の原因となるダイヤモンドの密輸入を防ぐ、国際認定制度「キンバリー・プロセス認証制度(KPCS)」。一言でいえば、その制度ができるにいたった紛争の背景と実体をリアルに描いた問題作。
紛争ダイヤモンド アクション

2時間半に及ぶ映画の半分以上のシーンは、内戦によるアフリカ人(同士も多い)の殺戮、それも、無差別に近い惨殺シーン。
殺される彼らにはその意味すらわからないような、
アメリカ、イギリス、経済大国のダイヤモンドの利権争いのために。

アフリカ人を奴隷のようにこきつかって採掘させるシーンも悲惨ですが、一番こわいのはそうして血で血を洗う戦いの末、密輸されるダイヤモンドのほとんどが、市場の価格操作のために英国宝石商の金庫の奥にしまわれていく、ようするに存在させないために採掘されるという事実でした。

とにかく、冒頭から人をモノのように撃ち殺すシーンがもう延々と続きます。
累々と増えていく死体がもう風景の一部に見えてくるほど。
さらわれて洗脳される子ども、生き別れる家族、拷問、・・・
そんなものよりなにより、人間はこんなに簡単に自分以外のものに対し
冷酷に、無感情になれるのか、と・・・
そして、多分、これが戦争の現実であることを。
戦争というものは、どんな規模であってもこういう非人間的行動であることを。
大国が集まって会議をしている間にも、虫けらのように仲間同士で殺し合う。
そういうモノであることを、思い知らされる。

率直にいって、この時代の戦争のない日本に生まれ、生きていること。この映画を、現時点で、まったくの他人事として、映画館でみるエンタティメントとして接することができることをありがたく思いました。
(ダイヤモンド消費という側面では、他人事ではないどころか、高額宝飾品の一大市場である日本は間接的には内戦加担者でもあるわけですが・・・)

ジャーナリストであるマディー(ジェニファー・コネリ)が、どんなに死に近い場所に行っても、結局は帰る場所を持ち、あくまで記録者である、という事実。悲惨なシーンをカメラに納めることで寄付金があつまり、世論が動いたとしても、結局は同情であり、「誰も助けにはこない」。そうした世界の関わり方もしっかり描かれています。
それだけに最後のエンディングは、虚しく感じました。
こんなにも残酷な内容であっても、これは結局映画であり
主人公視点での「都合」よい編集であり、多くは大企業側・大国側の理解の範囲で製作されているだろうこと、を痛感するから。
それも狙ってるとしたら大成功だなぁ。

いつにもまして、うまく語れていませんが
私にとっては、見るべき意味のある非常にいい映画でした。
いくつかのシーンでは、悲惨な背景だからこそ
胸に迫る人間同士の思いもありました。
(完全ネタバレですが、最後にマディーがダニーを1枚だけカメラにおさめるシーンでは、思わず涙が・・・)

えと、本当の主役は「戦争」と「戦争下の人間の異常さ・非情さ」いう感じの映画ですが、濃い役を熱演しきったディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリに拍手です。演技としても、とても見応えありました。

そして、今もダイヤモンドの採掘は行われ密輸は完全にはなくならないこと。
対象はダイヤモンドだけではないことを、忘れてはいけないと思います。
(こうして言いきること自体・卑怯だけれど、私は個人としては、この映画を見て、アフリカの悲惨な現状の数百分の1を感じたとしても、具体的になにもできないと思う。
しあわせであることを自覚すること以外・・・)


2年ぶりに久々にあった知人(同年代)ですが、映画のあと食事をしながら
戦争について、今の日本について、から、自分たちの生き方についてまで
けっこう濃く意見を交換し、少々議論もできました。
映画のおかげで、そういうことをきちんと考える機会をもらえたのも
また、きちんと意見を返してくれる(政治や世界情勢に詳しい)相手であったのも
よかった、と思いました。

ちょっとこのところ、気持ち低調で、
非常に些細なことで、立ち止まっておりましたが
なんか、ふっきれたかも。
(って、あっしのことなのでまだまだ安心できませンが;<オイ!
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« PASMO★記録に挑戦!<するな! | トップ | 勝手ながら; »
最新の画像もっと見る

ドラマ・映画・演劇・アート」カテゴリの最新記事