夫:932年振りと言われた金環日食も終わったね.しっかり見ることができてラッキーだ
った。ところで、本当の太陽の大きさって正確に測られているのか知っているかい。
妻:ううん、知らない。
夫:これはNHKニュースの受け売りだけど、正確な大きさは分かっていないそうだよ。
月と金環の輪からかなり正確な数値が計測できるそうで、今回は金環が見えるギリ
ギリの外側のラインに多くの天文フアンが貼りついて観測したそうだ
妻:へぇ~、そうなんだ。今回の金環日食は天体ショーだけじゃなかったのね。
夫:国立天文台からの発表が待ち遠しいね。どうやって正確に測るのだろう。
妻:私も知りたいわね。
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夫:お~い!今、ニュースで「太陽の直径は1,392,020Km」と発表されたよ。
妻:それがどれだけすごいことなのか、その背景が知りたいわね。
夫:今回、観測された金環日食のデータを使って、これまで100年以上にわたって正
確には分かっていなかった太陽の直径を、139万2020キロと精度よく求めること
に国立天文台が成功した点にあるようだ。
太陽の直径を巡っては、およそ120年前から欧米の研究者が地上の望遠鏡などを
使って直接観測して求めていたそうで、この方法だと太陽のふちが正確に把握でき
ず、これまで測定された値は、139万1000キロ前後から139万2300キロ前後
まで1300キロものバラツキがあったそうだ。
国立天文台は「NASAでも成し遂げられなかったことを日本の科学技術でできた
ことはとてもうれしい。全国の多くの方々の協力があって得られた結果です」と話
しているね。でも、正式発表はデーターの検証を行って、今年の秋ごろに発表した
いと言っているよ。
妻:具体的には金環日食をどのように利用して測定できたの?
夫:発表によると、今回の金環日食の際には「ベイリービーズ」と呼ばれる月の谷間か
らこぼれた小さな光が玉のように連なる珍しい現象が全国で観測されることが分か
っていたので、このベイリービーズの詳細な観測データから、太陽の直径を求めよ
うと、天文研究者や天文ファンで作る「金環日食限界線研究会」を作ってデータを
集めたそうだ。
そして、光の玉が月のどの谷間によってできているのかを月探査衛星「かぐや」の
データと照らし合わせて割り出し、観測地点からその谷間を通る直線を引いて太陽
の中心との間で直角三角形を作ると、太陽の半径が求められ、最終的に太陽の直
径は139万2020キロと精度よく計算できたのだそうだ。
ベイリービーズとは太陽と月の縁が重なった瞬間に、月の表面の凹凸から太陽の光
が漏れる現象のことだね。
発表によると、全国23の観測地点のうち少なくとも11カ所でベイリービーズの撮影
に成功したそうだ。
妻:金環日食の太陽って見れば見るほど不思議。周辺だけ見えて、中央のほとんどが
月で隠されているなんてね。それに、とても大きな太陽と地球のすぐ近くにある小さな
月がほぼ同じサイズに見えるって偶然にあらためて気付かされたわ。
これで日食メガネもお蔵行きね。
夫:まだだよ。国立天文台によると、5月21日の金環日食に続き、6月6日には「日面通
過」と呼ばれる金星が太陽面を通過する現象が起こるそうだ。
今回の日面通過は、21世紀最後で、次は、105年後の2117年12月11日まで起
こらないという。
だから日食メガネは捨てちゃダメだよ。
妻:また、天体ショーが見られるのね。楽しみに仕舞っておくわ。
今度はどんな知見が得られるのかしらね。
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