妻の生まれ故郷のK市が市制75周年を迎えることを記念して映画を作った!という情報
に驚いていたら、今度はそれを東京で、1日だけ上映するという知らせが届いた。
妻: 午後の部と夕方の部の2回、上映するんだって。観に行ってもいいかな~?
夫: もちろん。遠慮しないで、行っておいでよ。どんな映画なんだろうね。
妻: 情報によると、中年の恋を描いたものらしいけど、全て市内で撮影したらしいわ。
夫: それは楽しみだね。僕はその日、用事があるから友達と行ってくるといいよ。
上映日に、いそいそと出かけた妻は帰宅後、映画のあらすじや感想はそっちのけで、
久々に故郷の風景を観て、思わず知らず、涙がこぼれてしまったことを熱く語りました。
まさに「望郷の念は止まず」の状況だったのでしょう。
そのうちようやく映画の話になりました。
夫: 4年間、帰省していないから、ずいぶん懐かしかっただろうね。
妻: それはもう懐かしいの、なんのって。ところでね、同じ市内でも、私の実家からは少
し離れた地域で「稲穂祭」っていうのがあるの。そのお祭りで「狐の嫁入り」行列
が執り行われるんだけど、その行事が映画の重要なモチーフとして使われていた
のよ。
夫: 「狐の嫁入り」行列って、ひと昔ほど前に岐阜県・飛騨古川の「きつね火まつり」で
見たよね。あれは素晴らしいお祭りで、いつの間にか狐の街へ迷い込んでしまった
気分になったことを覚えているよ。お祭りを盛り上げようとする住民たちの熱意が
伝わってきたし、最後には振る舞い酒を呑ませて頂いて、本当に楽しかったよ。
妻: そうそう、あれとほぼ同じなんだけど、飛騨古川では花婿花嫁は顔に狐のお化粧をし
ていたでしょ。私の故郷での花婿花嫁は狐のお面をかぶっているのよ。
しかも、誰がその役を務めているかは絶対に秘密にすることになっているんだって。
で、花嫁花婿役、特に花嫁役を務めた女性は良縁に恵まれると言われているそう
よ。
夫: フ~ン、良縁ね~。
妻: 何をもって良縁というのかは、ややこしくなるので置いといて、飛騨古川の時も実感し
たように、「狐の嫁入り」行列を見ている人も幸せな気分になるから、それで十分
ね。
夫: 機会があれば、君の故郷の「狐の嫁入り」も見たいな。ちゃんとそのシーンは映画に
出て来たんだろうね。
妻: 当然、出て来たわよ。大事なキーポイントなんだから。
夫: 僕も観たかったな、その映画。それで、中年の恋とやらの行方はどうなるんだい?
妻: それはね・・・ホラ、ちゃんとDVDを買ってきたから、これを観てのお楽しみ。
妻は私用と知人たち用とで、合計4枚ものDVDを購入していました。みんなに見て欲しい
のでしょうね。故郷を離れて40年以上が経っても、「ふるさと愛」は衰えるどころか、ます
ます強くなっているようです。東京生まれで東京育ちの僕にとっては羨ましい限りでした。
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