鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ゲド戦記

2007-08-31 17:19:02 | 映画(アニメ)
「ゲド戦記」もやっと見たー。
第一印象、ツギハギ&ギクシャク。従来の宮崎アニメと似て否なるもの。

うーむ…どうしてわざわざゲドなのかなぁ…
ゲドの原作は読んでませんが、レビュー見る限り全然違うみたいだし、
原作者自身が、映画の出来にトッテモ憤慨してるんでしょ?
ハウルの時からそのケはありましたが、仮にも原作付きと銘を打つならば、
原作の魂をきちんと踏襲するのが、同じ創作者として相手への礼儀かと思います。
変えて良くなる場合も中にはありますが、これはさすがに…
どう見ても、原作に感銘を受けて作りたいと思って作った感じじゃないしぃ

漫画家で「絵は綺麗なのにストーリーが超ヘボ!」という人がマレにいますが、
…それを映画でやった感じ。
ヘンに技術や音楽が良くて、キャストが豪華な分…
逆に物語の杜撰さが目立ってしまったかもー。

…だって、伏線全然無いのよ。
真の名を知ったら相手を支配できる、なんて話、一体どこで出てた?
確かに途中ゲドが魔法について話す部分で、それっぽいことを言っていますが、
それぞれの人間が真名を持ってるとしたら、
ゲドが教えたことなんかは常識として、皆とっくに知っていることなのでは? 
…だって、知ってないと自分の命あやういじゃん!

このへんはどうやら、原作読んでる人にはふつーに通じる部分らしいんだけど…
原作読んでないとわかんない話を映画にするのも好きじゃないなぁ。
しかも、原作の物語を大きく逸脱した挙句にコレっていうのは余計にどうなの?
テナーとゲドの過去エピソードも、わかるようなわからないような
ハンパな会話で終る感じだったし。
全篇通して、説明不足な感が…。想像力で補うにも限界ある~

というか、普通の人が、普通に無理なく映画を見る中で、
その世界や人物像をある程度わかっていけなければ作品として困るでしょう。
見てる側置き去り状態なハナシでは、ひとりよがりと言われても仕方ないっす。
そこで重厚な音楽や静かなシーンで盛り上がられても、こっちは醒めちゃうナ。

そして竜…テルーの竜!!
「親に半殺しにされて道端に捨てられた」って言ってなかったっけ…
冒頭のトモグイしてた竜がまさかそうなのかい?
それとも、竜って人間から生まれてもおかしくないタイプの生き物なの?
(だからぁ、そういうのがわかる伏線がどこにあるのだ!?)
魔法らしい魔法も使わないわりに、魔女扱いされて毛嫌いされてるのも謎。
最初に「うさぎ」に追われてるときも「お前魔女だな?!」って言われてるけど、
お前ら一体どこで見分けてるンだよぅ…

ただ、もしかしたらこの映画、ジブリ作品でさえなければ、
ここまでガッカリしなかったかもナー。
あそこならこのくらい、と、最初からハイレベルのものを期待してしまうしね。

なにがどうしてこうなっちゃったんだろう…という疑問ばかりが残る映画でした。

長男・勤氏はもともと、アニメ畑とは全然エンの無いひとと聞いているし、
多分周囲も本人も、『無理』てのは早くから承知の上だったんじゃないのかな。
それなのに、どこがどーなって、ここまで来てしまったのだろう…


あー、テルーの歌は良かったよ。うん。

the EYE2

2007-08-31 16:35:53 | 映画(ホラー)
「the EYE2」 2004年
監督:パン・ブラザース
出演:スー・チー、ジェッダーボーン・ボンディー、ユージニア・ユアンほか

*****

一作目で、なかなかリアル~な幽霊の姿を見せてくれましたEYEの続編です。
前作は、角膜移植手術で目が見えるようになったと同時に、幽霊まで見えるようになってしまった
女性の物語でしたが、今回の主人公は、自殺未遂と妊娠を機に、幽霊が見えるようになってしまいます。
おまけに、その幽霊たちは何故か皆、執拗に妊婦につきまとい狙っているという…
前作もそうであったように、ラストは恐怖より感動系に近い仕上がりではあるのですが、
こーゆーの見ると、未婚の女性は妊娠するのヤんなるかもしれないよなー、て感じの絵でしたナ。

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不倫の恋に悩み、旅行先・タイのホテルで服毒自殺を図ったジョーイ。
一命はとりとめたものの、それ以来、彼女は時折不思議な現象に悩むことになる。
勝手に落ちる写真、時折目に写る不気味な人影、電車に飛び込んでいく、実在しない女性の姿。
不倫相手とは連絡も取れず、別れ話を切り出してみても、思うような反応はかえってこない。
そんな中、自分が妊娠していることまで発覚し、ジョーイは一人思い悩む。

一度は中絶を考えたものの、ついに子供を産む決心をしたジョーイ。
しかし、不正出血で病院にかかった折、故障したエレベータの中で、彼女は信じられない光景を見る。
一緒に乗っていた妊婦の出産が突然始まり苦しむ中、生まれようとする赤ん坊を狙うかのように、
死者が現れ、這いよっていったのだ。
どうやら、死者たちは何故か、常に妊婦を付け狙っているようだった。

寺の住職(?)の話では、死者たちは輪廻転生するために、妊婦の傍で機会を伺うのだという。
だとしたら、ジョーイの周囲にしきりに現れる死者…電車に飛び込む姿を見せた女性…は、
一体、どんな因縁のある相手だというのか。

ジョーイは、その正体を探ろうと、出版関係の仕事をしている同僚に頼んで調査を始める。
そうして探り出した女の正体は、なんと、不倫相手、サムの妻だった。
ジョーイが服毒自殺をしようとしていた、まさにその日、サムの妻は電車に飛び込んだのだった。

不倫相手の、自殺した妻。 彼女が自分の子供として転生する機会を伺っている。

ジョーイは、そうはさせまいと、必死の抵抗を始める。
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見ていて一番気になったもの。サムのあんまりな態度。
何故連絡を絶ったかについて責められると、
「俺は妻をたくさん傷つけた。苦しむのは自分だけでいい。お前まで苦しむことはない」
いや、自分がこれ以上苦しみたくないから、何も言わず連絡もせず愛人捨てたんじゃね?

「ちょっとした過ちがもとで、とりかえしがつかなくなる場合もある。誰が悪いのでもない」
ハァ?…今、ちょっとした過ち、って言いましたか? ちょっとした過ち?!
しかも、誰が悪いんでもないって……いや、一番悪いのアンタですから!!

いちいち回答に誠意というものが全く感じられないサム。うむ、別れて正解だぞジョーイ!

うーん、しかし、当てつけで狂言自殺をしようとしたジョーイや、『後悔させてやるっ!』という
捨て台詞を残して実際に死んでしまった奥さんもけっこうスゴいものがあるだけに、
案外この三角関係、似たもの同士お互い様ってとこなのかもしれません。ルイトモ。
このうちの誰かが『こんな腐れた関係もうヤーメタ』って言ってれば、防げた悲劇ではあるやね。

随所にでて来る幽霊たちは、前作よりもインパクト低め。
亡霊筆頭の奥さんが、妙に生き生きとした姿のため、あんまりオドロオドロしくない。
あ、でも中盤に出てくる、飛び降り自殺をした親子の幽霊はなかなか怖かった。
顔半分ない状態、足が断末魔で痙攣してる状態で、目がグルグル回ってるのがとってもコワー!!

それ以外は怖いシーン無いです。

このシリーズ、一作目のレビュー上げた時点ですでに2は香港で上映済み…3も撮影中だったのに、
どうしてこんなに、日本での流通が遅かったんだろう?
単に、私の行きつけのレンタル屋が怠慢なだけ?
で、EYE3も、もう5月にDVDリリースされてるはずなんだけど…見かけないのよねぇ