鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「奇談」

2006-08-02 11:48:02 | 映画(邦画)

「奇談」 2005年
監督:小松隆志
出演:藤澤恵麻、阿部寛、ちすん、柳ユーレイ、神戸浩、やべけんじほか

公式サイト
(この画面でポップアップの警告が出ますが、映画のニュースですのでご安心を)

***

諸星大二郎氏の漫画、妖怪ハンターの「生命の木」の映画版。
あの独特の世界を映画化?しかも実写? と話を聞いたとき一瞬怯んだのだけど、
映画を見終わった後の感想は、まぁ…いいか、という感じかな。
特に「妖怪ハンター」稗田礼二郎のビジュアルが原作とは激しく違いますが、
キャストとして演技派の阿部寛を持ってきたことで、まぁいいか、と(笑)
…さすがにジュリーにはもう演じられまい。

===
大学で民俗学を専攻している里美は、毎夜見る不思議な夢に悩まされていた。
巨大な穴と、小さな子供。
それはどうやら、里美が子供のころに預けられていた東北の村で、
一時的に神隠しに遭ったことと関係しているらしかった。
夢に誘われるように、失われた記憶を求めて、里美はその村…渡戸村へと向かう。

里美はそこで、もと隠れキリシタンの里である渡戸村の歴史を調べる考古学者、
稗田礼二郎と出会い、行動をともにすることになった。
翌日2人は、かつてキリシタンの処刑が行われた丘で「はなれ」と呼ばれる
隔離された集落に住む村人の一人、善次が磔になって死んでいるのを発見する。

13年ぶりに姿を現した、神隠しに遭った子供。
突然無人となった「はなれ」の集落と、そこにただ一人とり残された男。
生命の木、じゅすへる、あだん、えわ、いんへるの。

様々な仮説から「はなれ」に伝わる伝承の秘密と彼らの出自とを知った稗田は、
失われた記憶を取り戻しはじめた里美とともに、集落の奥にある洞窟へと足を進める。
===

「みんな、オラと一緒にぱらいそさ行くだー!!」
まずこの一言はね、やっぱり重要だからね(笑)
妙に声だけ若々しいと思ったら、吹き替えでしたよ。三ツ矢雄二氏。
この人も懐かしいね~(笑) 昔はマーグとか達ちゃんやってたのにな。

物語の舞台は昭和40年代ってことで、建物とかいろいろ横溝正史風。
もちろん携帯電話などどこにも出てこない(笑)
集落のうら寂びた感じとか、暗い座敷の影に佇む子供とか、
藤澤恵麻のジミな服装とメイクとか、ああ、田舎だな~という感じ。
「はなれ」の住人が念仏のように唱える教えもコワっぽくていい。

グロ度は…そうですね。磔になった善次の死体の顔アップが一回ある程度。
鳥にでもやられたのか両目が抜け落ちた状態のやつ。
そこさえ抜ければあとはとりたてて画面が怖い部分は無いかと。
最後は一応、良い終わり方だったし~

多分、監督さんが原作をきちんと読んでいるか、あるいはファンなのかな。
全体に、さほど世界観を壊すようなつくりは見あたらなかったと思うよん。

諸星氏の作品がいろいろ映像化されてるせいなのか、先日、本屋で、
「マッドメン」シリーズが文庫化されているのを発見!(笑)
あれも、日本のイザナギイザナミ神話をベースに、
ニューギニアの悪霊信仰なども絡めて、なかなか深い仕上がりになっております。
つか、私は諸星氏の作品の中ではこれが一番好き~。


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