「四季 春・夏・秋・冬」 森博嗣
講談社 新書 4冊組
2004年
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ううむ。これは…。コメントしずらいです。
一番強く感じたのは…
『森さん、すごく四季女史が好きなんですね?』
…ってことかな…
もともと理系がジンマシン出るほど苦手な私では、
物語を全篇通して埋め尽くす論理・論理・論理が半分も理解できません。
そのため、ツッコミ入れようったって入れられない(笑)
あー…そう、そういうもんなのね? この世界では。と、
丸呑みして納得するしかないカンジ。
んー…さほどねぇ。
マジックの種明かしを見たくないのと同じ理由で、
四季女史の今までや、内面とかは見たくなかった気がするな。
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物心つくころから天才と謳われ、14歳には天才科学者の名を欲しいままにした真賀田四季。
14歳で実の両親を殺害して研究所に監禁され、
29歳の夏に、自らの血を分けた娘を殺害してそこから逃走した彼女に纏わる
出来事や事件を、春夏秋冬に分けられた、四編の物語が明らかにする。
真に望むものは何か。その頭脳の行き着く先はどこなのか。
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『秋』には犀川と萌絵が出てくると聞いてちょっと期待したんですが、
それもあくまでゲスト的な扱いで『虚空の逆マトリクス』のオマケという感じ。
とりあえず、森さんの持っているいくつかのシリーズの中でも有名な、
S&MシリーズとVシリーズ、それからSF作品の「女王の百年密室」とも繋がる、
いわば森ワールドのクロスポイント的な物語。
一見別世界だったそれらを繋ぐのが、最高位に君臨する女神・四季という位置関係。
シリーズ同士を繋ぐことに腐心するあまり、物語としてはチョト物足りないかも。
どちらかというと、森ワールド愛好家に対するファンサービスというか…、
んー……おまけ…? 的な感じを受ける。
だから、ちゃんと全シリーズ知らない人には、よく判らない部分があると思うよ。
森作品を知らない人が始めて読むには不適格。
そういう意味では、読者に不親切なつくりとも言えるかな。
森博嗣が好きなひとには、別シリーズのキャラが繋がる感じが面白いかも。