「姉飼」 遠藤徹
2003年 角川書店
2006年 角川ホラー文庫
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図書館でハードカバーを借りてきたのですが、
超表紙こわーーーー(汗)
これは人前で読めないな…。
電車の中でこの本を熟読できる人がいたら尊敬します。
内容はインパクト勝ち。
最初の「脂祭り」の時点から既にかなりイケナイ匂いがしてましたが、
「姉」の姿や扱い、それに魅せられるもののイっちゃった感じが、なんともハァ。
読んで不快感を覚えるひとも多いと思うけど、いいにしろ悪いにしろ、
とにかく、一度読んだら印象キツくて忘れられない話。
なんというのでしょう。イケナイ匂いとはいっても、別にエロじゃなくってね。
鬼畜というか倒錯というか、人間としてのタブーに触れるというか。
そういう意味で「人にはお見せできない性向」の感じがある物語。
ロックコンサートなんかで大きな音をガンガン聞かされてると、
最初は苦痛に感じても、だんだん慣れて楽しくなっていくように、
「過ぎた刺激による興奮」を呼び覚ますような…
んー、ある意味悪夢のような。そういう世界です。
表題作が強すぎるためか、一緒に掲載されているほかの作品の印象は薄い感じ。
いまいち、かな。
この本が出版されて4年くらいたってるわけですがー、
その間、他にどんな物語を書いたのか気になって調べてみました。
「弁頭屋」人間の頭を弁当の容器として売っている店の話。
「くくしがるば」寝耳に水でご懐妊? なんやら異次元的な話らしい…
「ケミカル・メタモルフォーシス」沈黙の春の解説本。ほかにもちょっと。
「プラスチックの文化史」 環境ホルモンの話とか?
あと音楽関係と資格関係の本が検索されましたが…同姓同名かな…
弁頭屋は、いかにも姉飼の作者らしい物語のようです。読んでみなくちゃ。
ケミカル・メタモルフォーシスは…
「沈黙の春」は、昔、目を通したんですよ…最初の30ページくらいはね(笑)
最初のほうは面白かったんだけど、だんだん飽きてきちゃってさー。
でも、書いてる趣旨は(多分)伝わってるから結果オーライ(←?)
海外ものって、訳にもよるけど読みづらいのよ。
基本的に改行しないからページぎっちぎちの真っ黒だし。
で、それを読みやすく解説(あえて誤読)した…? ってことなのかなぁ。
内容についてあんまりわかりやすいレビューが見つからないのよ。
自分で読めってことかい?
(うちの近くの図書館、品薄なんだよねぇ)
「姉飼」系の話と、現実の問題を、皮肉を交えた視点でブラックに
解説していく系の本? て感じかな…
読んでみないとわかんないけど、ちょっと見、執筆傾向が異色なひとですねぇ。
少しそのへんの本を探してみようと思います。
面白かったらまたなんか書きますね。