鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

遠くへ

2005-08-24 15:02:20 | 雑事

どういう性分なのか、時折、何もかもを放り出してゼロになりたい、と思うときがあります。
別に欝になっているのでも、ヤケを起こしているのでもありません。
それはまるで、友人とお茶を飲んで談笑しているとき、
ふと「あら、時間だわ」と席を立つにも似た気軽さで、
それまでの全てに「じゃあ、またね」と背を向けたくなるのです。
まるで、自分の中に見えない砂時計があるみたい。
砂が落ちきってしまったら、ぐるりと逆方向へとひっくり返すしか、再び時間を進める方法はないのです。
ま、基本的に飽きっぽい…てことかな。

大体そういう時は、趣味にしても生活方針にしても極端な針路変更をしてしまうので、
もっとこのままやればいいのに、とか、なんか勿体無いなぁ、などと
周囲に言われることも多々あるのですが、一度イキオイを失うと、なかなか元には戻れません。
昨日まで当たり前にやっていた行動に「あれ?なんでこんなことしてんだ?」
とか思い始めたら特に要注意。

世の中には、ひとつのことに、しっかりじっくり何年も取り組める人もいて、
そういう人たちが着々といろんな経験や実績を積み上げてゆくのを見ていると、
どうして自分はこうなんだろう? と呆れてしまいますが、
なんだかんだとコレで30ウン年やってきたことを考えると、きっともう直らないのでしょう。

幸い、生活の基盤たる「家族」や「仕事」に対して、
そういった気持ちになったことが無いことだけは救いですが(笑)
明日、一週間後、一ヵ月後の自分が、何に興味を持っているのか
予測できないのは、なかなかに困る事態です。
特に人間関係は、話合わなくなっちゃうからね(汗)

ああ、もうちょっと、ちゃんと落ち着きたい。

死に逝く街の怖い話

2005-08-24 01:48:30 | 本(小説)

「東京伝説 死に逝く街の怖い話」 
 平山夢明 竹書房ホラー文庫 2004年

***

とりあえず、最近は平山夢明さんの「超怖い話」シリーズと、
「東京伝説」のシリーズを読んでいたわけですが、
わりとお約束な感じの「超怖い話」に比べ、このシリーズには…
「怖い」ではなく「忌まわしい」という言葉が相応しい。

全体的に「都市伝説」めいた話ばかりなのですが、
これを読むと、本当に恐ろしいのは、幽霊や死ではないと感じます。

世の中には、確かにこんな目に遭うくらいなら死んだ方がまだマシだ、
という出来事があって、それを現実にするのは常に人間の持つ「狂気」。
そして「狂気」は、誰の身の内にも潜んでいて、ただ表に噴出すきっかけを
待っているにすぎないとも思うのです。

人が、人でなくなる瞬間。壊れてしまう瞬間。
それこそがもっとも恐ろしく、そして、その存在が、
もとは自分と同じ人間であるとわかるがゆえに、非常に忌まわしい。

フィクションの中に出る怪物の中で、一番生理的にイヤだと感じるのは、
「人間にどこか似ているくせに微妙に違う」といった形です。
たとえば、どこからどう見ても人間とは思えないのに、
そこにリアルで形の良い唇だけがついている、というのは気持ち悪いですよね。
ラヴクラフトの「インスマウス人」も魚と人間とを混ぜ合わせたような外見が異様さをそそりますし、
リアルな人形を気色悪いと感じるのも「人に似て人に非ざるもの」だからじゃないのかな。

話が逸れましたが、とにかく、ダークでダークでどうしようもない話の数々です。
異界を覗き込んでしまったような、触れてはいけない穢れに触れてしまったような…
読んだあと、最高に後味悪いことうけあい。

一般の「怖い話」とはちょっと趣が違います。
そうですね…そう、有名な都市伝説の「人間ダルマ」。
あの系列の話がたくさんあると思っていただけるとよろしいかと。
とりあえず、神経の細い方、影響されやすい方は読まないほうがいいでしょう。

***

検索してみたら、映像化していました(汗)
東京伝説 蠢く街の狂気 公式サイト

ちなみに「超怖い話」も映像化。すごいなぁ。
超怖い話 公式サイト