これは社頭でたびたび受けるご質問の一つです。のし袋は結婚式等のお祝いの場でお馴染みのものですが、神社など改まった場所でもよく使われます。
ですがいざ神社に持って行こうとして、表書きに迷う方は少なくないはずです。そして実際に神社で使う表書きは他では見かけないものが多いのです。
神社でもっともよく使われるものが『初穂料』です。「初穂」はその年初めての稲穂、つまりお米を表しています。その代わり、という意味で「料」と一字付けたものが初穂料です。
かつては田畑で採れたもの、特に初物は神社や神棚にお供えして神様に収穫の感謝をすることが慣わしでした。今は代わって金銭を包む形になりましたが、お供えする気持ちはその頃と同じだ、ということを表しています。
一般的なのし袋。蝶結びの水引は何度あってもよいお祝いであるしるしです
『玉串料』というのもよく使う言葉です。「玉串」は参拝や祈願をする心を示すためにご神前にお供えする榊の枝のことですが、その代わりとして、という意味です。
比較的まれなものには『幣帛料』というものもあります。「幣帛(へいはく)」は服の材料である布の事で、これも古くからのお供え物の一つです。神様には「衣食住」それぞれをお供えするべき、という考えがありまして、「食」がお米などの作物、「住」が神社の建物それ自体を指すのに対して、「衣」がこの幣帛であるという訳です。
様々にあってどれも間違いではありませんが、お供えをする側のまごころを表す文字です。白紙で使うのはもったいない、と思いますので、のし袋を使われる際は是非気にしてみて下さい。