Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

いにしえのカンテレ

2008-10-08 01:52:48 | フィンランド
今いるところは、ヘルシンキから500キロ北のスウェーデン寄りの町・ヴェテリ。私が最初にお世話になった家族が住んでいる。どんなに忙しくても必ず会いに行くことにしている大好きな人たち。最終便に早朝便でとんぼ返りしたこともあるが、今回は2泊する。

朝から大忙しの一日。
まず高齢者施設で音楽療法見学とセッション、歌とカンテレによる日本の曲のコンサート。いちばん人気はやはり<さくら>だった。


居室でコーヒーのおもてなし

近くの小学校で、同じコンサート。聴いてくださった校長先生の提案で、そのまま中学、そして高校でも行う。最後は私の指導で、<さくら>の合唱。音楽でひとつになれることは本当に楽しい!

ゆっくり昼食のはずが、そんな時間もなく(こんな時はおにぎりにかぎる。無理だけど)、今度は教会の集まりにでかける。讚美歌もプログラムにいれて、カンテレと歌でコンサート。終了後は茶話会。懐かしい顔がいっぱい。30年ぶりに会うA君、ハンサムな長身は女の子たちの憧れだったが、貫禄たっぷりのプックリお腹のおじさん。アララ…。フィンランドでは、集まりには必ずコーヒーのサービスがある。お手製のお菓子が添えられるが、勧められるままに全種類いただくことに。美味しいが、かなり甘めで、ちょっと苦しい。

移動の通り道カウスティネンでは、民族音楽学校の売店で、楽譜や民族音楽の本、古いカセットやCDを買い込む。ヘルシンキでは見かけなかった地域性のある楽譜はかなり嬉しい。面白い楽譜では、カンテレと歌の掛け合いの古い叙事詩。掘り出し物は、カンテレの古い録音と民族ダンスの本。ゆっくり楽しみたい。


音楽学校のタペストリー

夕方から教会でコンサート。こんなに忙しく演奏することは珍しい。朝からずっと付き添っているお父さんは、マネージャー気分。足りないフィンランド語を補足してくれる。

森の向こうは教会


この町のシンボルマークは5弦カンテレで、昔はどこの家にもお手製の大型カンテレ(いわゆるコティカンテレ)があったそう。60歳以上の人たちは、子どもの頃、夕食後は家族皆でカンテレを楽しんだと口々に話してくれる。この地に400年続くお母さんの実家にもあるはずということになり、次回までに探してくれることになった。どんなに古いか記憶にないくらい古いらしい。ペリマンニという農民音楽の発祥はここだから、きっと貴重カンテレに違いない。

そして思った。古い時代のカンテレ音楽の発祥の地との30年来のご縁、これは大事な宝物。私のカンテレ音楽は、日本の他のカンテレ奏者とは大きく違う。コンサートやレッスンで紹介する曲はフィンランドの伝統音楽が多く、嬉しいことにそれが好きな人たちが集まって来る。これからもそれを大切にしていきたい、と。

ここは素朴な田舎町。人々は温かく、景色が美しい。何百年も昔、この写真の川に沿って民族音楽が広まった。家からすぐの川のほとりで、古いカンテレに思いを馳せながら、しばしたたずむ。


ペルホヨキ・ペルホ川







朝の最低-5度、昼間の最高10度。かなり寒いけど、最高のカンテレ日和の一日だった。


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