夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

俺の西洋料理はブイヤベース

2017年07月26日 | 俺の料理

 蒸し暑い。寝苦しい。

しかし、女房はぐっすり眠っている。

俺は起きて、何かないかと戸棚を探した。

奥の方から忘れられたような缶詰が出てきた。

トマトの水煮だ。

賞味期限は4か月も過ぎている。

しかし、食べられないことはないだろう。

俺はネットでトマト缶のレシピを探した。

「サバ水煮缶とトマト水煮缶でブイヤベース」という料理を見つけた。

幸いサバ缶もある。

明日の夜は俺が「ブイヤベース」とかいう西洋料理を作ることにした。

レシピをプリントしてから、ベッドに入った。

 

 女房が夕食の支度をしているところへ俺は割り込んだ。

俺の料理の始まりだ。 

俺はまず、鍋にサバ缶の汁だけを入れた。

スライスした玉ねぎ、トマト缶、塩、水を入れて煮詰める。

玉ねぎが煮えたところに、サバの身とカレールーを加えて出来上がりだ。

意外と簡単に出来た。

俺は女房に俺の作った、西洋料理の名前を教えようとしたが、思いだせない。

レシピを見ながら「ブ・イ・ヤ・ベース」と言いながら教えてやった。

しかし、女房は知っていたよ。

ただ、自分では作ったことがないそうだ。

 俺はブイヤベースをテーブルに並べた。

このときはすでに、女房のいつもの料理が並べてあった。

ご飯に豆腐の味噌汁、青菜のおひたしと魚の煮物だ。

これにブイヤベースだと組み合わせが悪い。

ブイヤベースにはパンだけがあればよいようだ。

 

 食べてみた。

俺はおいしいと思うが、女房の口には合わないようだ。

女房はコショウをたっぷり振りかけながら、まずそうに食べている。