夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

スパゲッティを二つに折って、ガス代・水道代の節約

2016年04月13日 | 俺の料理

スーパーで食材を見てまわった。

俺はもしもに備えて、どこで何を売っているか勉強中なのだ。

パスタ売り場を見たら、通常の半分サイズのスパゲッテイがあった。

小さい鍋でもできるように工夫されているのだろう。グッドアイデアだ。

しかし、長いものより割高なのだ。半分サイズが欲しければ、二つに折ればよいのだ。

パスタソースを探した。二人用としてアルミのような袋に入っている。

女房はいつもこれを買ってきていた。

俺は缶入りのものを見つけた。

缶詰だから袋入りよりも新鮮さが保たれると考えた。

今日のお昼は俺が作るぞと張り切る。

女房には、決して口出しなどさせないように料理を始めた。

俺は胴長の中に網の入ったパスタ鍋で、お湯を沸かした。

いつもなら、スパゲッティの長さに合わせて、水を上までいっぱい入れるが、水は半分にした。

ガス代も水道代も節約できるのだ。

俺は思う。女房は主婦歴50年なのに、こんな単純な節約法を知らぬのかと。

俺はスパゲッティを半分に折った。

俺は得意になって、半分に折ったスパゲッティを鍋に入れ、タイマーを9分に合わせた。

男の料理教室の先生は、塩を入れると高温になり、美味しくなると教えてくれたが、俺は減塩に努力しているから、塩は入れない。

これでも充分美味しくできていたからだ。

麺が煮えるまでに、ピーマンとしめじを炒めようと思ったが、フライパンに問題があるのだ。

俺は先日、女房の留守中に、一食69円のスパゲッティを作ろうとしてフライパンを空だきし、テフロンを全部壊してしまった前科があるのだ。

だから、新しいテフロン加工のフライパンは使わせてもらえないのだ。

女房は俺が新しいフライパンンを使うのではないかと、にらみをきかせている。

俺は壊れたフライパンに油をひくことにした。

せめて、少しは贅沢にと、菜種油でなく、エキストラバージンオリーブオイルという、名前を聞くだけでも高級そうな油を、壊れたフライパンに流した。

ニンニクを入れて、ピーマンとしめじを炒めた。

ソーセージも炒めようとしが、冷蔵庫にないのでやめた。

タイマーがチンと鳴ったので、鍋の中の網かごを引き上げ、麺をフライパンに移し、軽く炒めた。

これで出来上がりだ。

そして、やっと道具の名前を覚えたトングというピンセットのようなもので、二つの皿に分けた。

ミントをトッピングすれば良いのだが、ないからやめた。まあ、上手に出来たと思う。

女房がテーブルについた。

俺は自慢のスパゲッティのお皿を並べ、一席演説。

「スパゲッティを二つに折るだけで、ガス代も水道代も節約できるのだ。

それにソースは、袋入りよりも缶詰のほうが鮮度が良いはずだ」と、50年主婦の前で演説。

 

さて、いただきますをしてから、いつものようにフォークで麺をくるくる巻いて食べようとした。

半分に折られたスパゲッティは、フォークに巻き付かないのだ。

短かい麺は、フォークに巻き付かない。

これでは、口元へ運べない。

それで、麺をフォークですくってみたが、口の中にまとめて入れることが出来ない。

仕方がないから、ウドンのように、すすりながら食べた。

唇がソースでべとべとに濡れた。気持ちが悪い。

やっぱり、スパゲッテイは長い方が良い。

ガス代、水道代の節約演説をした俺は、ショボンとしおれてしまった。

今度は、女房の演説が始まった。

「二つ折りにしたことは、初めてのことだから仕方がない。

けれども、缶入りのパスタソースを、私は長い間使ってきた。

空き缶はそのままごみ袋へ入れると、ごみが多くなる。

空き缶は紙袋のようにはつぶせない。

ごみ袋は有料だから、袋代が高くつく。

それで、ソースは袋入りを使うことにして、ごみを少なくしているのだ。

女房はごみを少なくするため、缶入りソースを買わず、袋入りを買ってきていたのか。

知らなかったなあ。

女房は新鮮な缶詰ソースの味よりも、ごみ袋代が気になるのだ。

我が家では、最近まで、女房は料理を作る人。俺は食べる人。

しかも、先人の教えを守り、俺は台所をのぞかなかったから、缶詰のソースを使っていたことを全く知らなかったのだ。

 

お役人さんに年金を削られたから、

ガス代・水道代を節約しようとして、考えたことだったのだが、

だめだったなあ。