夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

ぎばさ

2016年04月03日 | 日記

 

デパートの食品売り場で、秋田名産「ぎばさ」を売っていた。海藻の一種だ。

俺は秋田に住んでいた少年時代に食べたことがある。ねばねばした食感があったことを思い出した。

食べたいが調理法が分からないので買わずに帰った。そこで、秋田在住の弟にメールで問い合わせたら、①みそ汁に入れる。②酢味噌で和えるとのこと。さっそく買うに出かけた。

店員に尋ねると、春先にしか入荷しないとのことだ。4パック売っていたので全部買いたいが、ちょっと気が引けるので、後の人のために1パックだけ残してきた。

ぎばさは粘りが強い。箸で取り分けようとしたら糸が引き、なかなか切れない。

秋田に住んでいた60年前は、母親がひじきに似たぎばさを、まな板に載せ、包丁で叩くように切っていたように思う。叩いていると粘りが増してきたように記憶している。

今回、デパートで買ったぎばさは、少年時代のものとは感じが違う。すりつぶして、ねばねばになったものが売られているようだ。

 俺はまず、みそ汁に入れてみた。ほのかに磯の匂いがする。

酢味噌を入れて練ると、とろろ芋よりも粘り気がある。これをご飯にのせて食べると美味しい。

納豆にも入れてみた。ねばねば同士で相性がよい。

ただの味噌や、からし酢味噌、ゆず味噌、田楽味噌などでも試してみた。

俺の舌に一番合うのは、からし酢味噌だ。それに納豆に入れるのもよい。

 酒の肴にしてみた。箸でつまむと粘りが強くて、糸が長く引くので食べにくい。

毎朝毎夕,ぎばさだ。今日も買うに出かけようかな。

女房は食べ飽きたというので、俺一人で楽しもう。春先だけしか売られていないからだ。

何度かデパートの食品売り場へ行って、気が付いたことがある。

4時になると、なま魚や刺身のパックに、「50円引き」「100円引き」などのシールが貼られる。

6時になると、さらにそのシールの上に「100円引き」「200円引き」などのシールが重ねて貼られる。

そして、それを待つかのように、売り場をうろうろしているお母さんたちがいる。値引きのシールが貼られるのを待っているのだ。

給料は上がらない。年金は下げられる。主婦は節約のために、値引きの時刻を待っているのだ。

そして、俺もその仲間になっていた。

 

さて、デパートへ出かけようか。

200円引きの時刻にまだ早いか。