退職したばかりのころ、俺は折りたたみ傘を買った。 チョット高級な傘だ。
手入れが良いから、今でもしっかりとしている。
持ち手のボタンを押すとパッと開く傘だ。
クルマから下りるときに、ドアを少し開けてボタンを押すとパッと開くのだ。
だから雨に濡れずにクルマから下りることができる。
骨は丈夫で三つ折りである。 傘の布もしっかりとしている。
高かったけれど、丈夫で便利だから、死ぬまで使えると思って奮発して買ったのだ。
俺は図書館へ行った。 夕立がきそうなのでこの高級傘を持って行った。
そして調べ物があるので、新聞のバックナンバーを探した。
何日か分の記事から必要な項目を探して読んだ。
傘を目の前のテーブルに置いて読んでいたのだ。
次の新聞を探すのに席を離れて戻ってみると、傘が無くなっている。
隣の席の人に尋ねると、さっきまでここに傘があったという。
どこを探しても傘は見つからない。
やられた!! 置き引きにやられたのだ!!
死ぬまで使おうと奮発して買った高級傘を盗られたのだ。
残念!! くやしい!!
今度は100円ショップで折りたたみ傘を買ってこよう。
死ぬまで使えるかなあ