暑い、寝苦しい。
エアコンをかけてもなかなか眠れない。
冷凍庫からアイス枕を取り出して頭を冷やしていたが、温くなってしまった。
俺は冷凍庫に保冷剤があることを思い出した。
ぐっすり眠っている女房が目を覚まさないように気を遣い、電灯を点けずに冷凍庫から手探りで保冷剤を取り出した。
そして、タオルに包んで枕にのせて寝た。
冷たいのでやっと眠ることができた。
次の日、女房は俺の枕の上にあるもの持って来た。
「なぜ、ショウガを枕にしたのか」と尋ねる。
保冷剤と思って枕にしたものは、なんと、ショウガをすってビニールパックに詰めたものだった。
すったショウガを薄い板状にして冷凍保存し、料理に使うそうだ。
俺はショウガを枕にしていたのだ。
ショウガネェ爺だなあ。