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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

イギリスの運命を決定する重大な総選挙の投票日、病み上がりの散歩に同行した投票所、平日に全校休校の公立小学校

2019年12月13日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

月曜日から水曜日まで風邪で寝込んでいました。インフルエンザだったかもしれません。
昨日、木曜日(12日)は暖かく着込んで散歩がてら投票所に行きました。



息子二人が通った地元の公立小学校です。

ちなみに、イギリス国籍を持たない私には選挙権がありません。
投票に行く夫について行っただけなのです。





だれにも止められませんでしたが、さすがに投票所になっている講堂には遠慮して足を踏み入れませんでした。
外からこっそり写真を撮りました。

投票券などは不要です。住所を言えば投票用紙 poll card を手渡されます。


かつて、留学時代一度だけ私宛の投票券が手違いで寄宿先に配布されたことがあり、投票したことがあります!!

政府の広報ウェッブから勝手に借りた投票用紙の見本です。


投票する候補者名の右の四角に大きくを書き入れます。

ゴミ箱のようなショボい黒いプラスチックの投票箱に清き一票を投じているのがうちの夫です。


投票日は平日で、投票所は朝7時から夜10時まであいています。
ところでこの地区は地元の「合同小学校 Primary Schools」を投票所として長年使用しています。

合同小学校は保育学校 Nursery School(3歳)、幼年学校 Infant School(4歳から6歳まで)、中等小学校 Junior School(7歳から11歳まで)の3校からなるけっこう規模の大きい学校なのです。

ちなみにイギリスでは3歳のみから18歳まで授業料が無料です

で、会場として使われるのは中等小学校の講堂一室のみ。

でも、学期中の平日に全校が休校になるのです。
イギリスの教職員は出勤する義務が全くない(長い夏休みの登校日など一切ありません)、年に10週間もの有給休暇があるのに どうしたことか!と多くの父兄がコソコソ言い合っています。

年のいかない児童生徒の保護者は有給休暇をとって休まざるを得ないことが多いらしく、ちょっとした混乱をきたしているようです。

2時ごろ、投票所はガラガラでした。
子供連れの投票者が何人かいました。

5時を過ぎれば仕事帰りの人たちでドドッと混みあうそうです。


隠し撮りしました。


クリスマスツリーのそばで仲良く歓談するこの2人は、この選挙区を2分する2大候補政党、保守党( Tory 現 与党)とリブデム党( Riberal Democrat=自由民主党 現 第二野党;自民党と略すのがイヤなのでこう呼びます!)の、お互い敵対するボランティアの選挙運動員なのです!

じゃあ、第ー野党の労働党の運動員はどこにいるのか(トイレか)?
第ーこの人たちは投票所の外で何をしているのか。

サンタクロースのような白ひげの男性はリブデム党の黄色いロゼットをつけた運動員です。
ロイヤル・ブルー(保守党のシンボルカラー)のロゼットをつけた保守党の運動員の女性は、ご丁寧にクリップボードまでロイヤルブルーで揃えています。

この人たちは投票所前に陣どって、応援する候補に投票すると約束した支持者がちゃんと投票所に来たかどうか出席をとっているのです。開票結果まえに勝敗の予測を立てるのに役に立つのでしょう。
投票すると約束した支持者たちはそれぞれ自分の名前と住所を言ってから投票所に入っていましたよ。

現(12月12日午後10時30分現在)第ー野党の労働党の運動員がなぜ出席とりをしていないのかというと、「自分たちの党にはほんとうは投票してもらいたくないから」らしいのです!!!
以前にも少し書きましたが、(中産階級家庭が多いらしい)この地区では勝ち目がない労働党は、選挙運動を極力控え、与党、保守党の国会での議席を何とか減らすためにライバル党のー党であるリブデム党に票が行くようにこっそり画策しているというもっぱらのうわさなのです。

そういうわけで、この選挙区では労働党支持者の多くは、「保守党の議席を増やすよりはまだマシ」という理由でリブデム党に投票するらしいのです。

どうやら本当らしい、ということになんとなく納得させられたクリスマスツリー横での出席とり....




ところで、風邪だか、インフルエンザだかからは、薬も飲まずにほとんど回復しました。

インフルエンザにしては回復が早かったようですが、症状(高熱と嘔吐)は似ていました。

日本のインフルエンザとイギリスのインフルエンザはタイプが違うと聞きました。
本当でしょうか?

3日外出しなかった後の投票所への行きかえりは冷たい空気がとても新鮮で気持ちよく感じられました。

家では高齢ネコのホレイシオがこれは本当にネコか、と思われるほど長く伸びてラジエーター前でぬくぬく寝ていました。


この記事が投稿される時刻には選挙の結果が明らかになっていることでしょう。
お察しの通り、前日夜に予約投稿しています。


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2 コメント

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夫婦喧嘩は存在しない (浅井洋)
2019-12-15 07:19:00
江里さま
 
  お風邪を召されて 自然治癒されたとの事

 良かったですね 

  国全体は 何となく 孤立感が 深まった

 気がしますが 

 島国でヨーロッパとは別ものなのでしょうね
返信する
浅井さんへ (江里)
2019-12-16 20:32:22
ご心配をおかけしました。ありがとうございます。
さすがに一週間家にこもれば飽きが来ました。(投票所に行った30分ほどの外出をのぞく)
そうなのです。残留派はイギリスも理念や精神的なつながりでヨーロッパのいちぶで、自分はヨーロッパ市民だと思っていたらしいのですが(私もヨーロッパの一部に寄宿しているつもりでした)多くの国民は違ったようです。ジョンソン圧勝の大因はブレクシット完遂を期待して、だそうですから。

スペインから帰国している息子がお友達と飲みに行って憤慨して言うことには幼馴染のどちらかというと労働者階級っぽい出自の人たちがわりと賃金のいい仕事に就いて(あるいはお金持ちのために働き始めて)保守党に投票、フェイスブックなどに福祉を受給する「貧乏人」を揶揄する内容のポストを始めた、ということなのです。
世界史でならった「プチブル化した小市民」っていうのはこれのことか!と納得です。
貧困層がいったん小さな富を得るとしがみつくために急激に保守化するって現象ですよね。
「偉大な」イギリスを構成する要員の心のせまさに驚くことしきり。

島国根性。
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