再び登場ロチェスター Rochester。
イングランド南西部、ケントのとても小さい(もと)シティCity、ロチェスターに夫の姪の結婚式に参列するために行きました。もう2週間以上も前の話です。今回は番外編、本当に久しぶりに古い建物を飾る動物の立体モチーフです。
ミッドウェイ河にかかるロチェスター橋を渡ればもうシティ・オブ・ロチェスターです。(大聖堂のある町に与えられるシティという行政区分上のステイタスを正式には1998年に失ったにもかかわらず、ロチェスターは慣用的にまだ使い続けているようです)
観光名所らしいこの鉄骨と石造りの堂々とした橋は意外にも新しく1914年の建造です。
橋の初めと終わりにライオンが全部で4頭。日本橋の三越正面のライオンと同じ、伏せの姿勢で頭をもたげて橋を警護しているのだそうです。
橋の中ほどの意味もなく凝ったデザインの街灯柱のてっぺんには紋章学でおなじみの後ろ足で立つライオンが。市章が記された盾を支えに立っているます。
下のほうには雄ヒツジの頭...図像学上では生殖の...いえ、言い換えて...豊穣、繁栄のシンボルだそうです。
橋を渡ってすぐに始まるハイ・ストリート(目抜き通り)を歩き始めて振り返ってみた写真です。
ヴィクトリア&ブル・ホテルという名前のパブの馬車用の入り口(上の写真の左側)の...
苦虫をかみつぶしたような不機嫌顔のライオンと歯茎を向いてびっくり顔のユニコーン(一角獣)像がすぐに目に留まりました。
あらあら、ユニコーンは角を失くしちゃったようですね、ただの白ウマにしか見えません。
写真を見て気が付きました。リアルな造形の英国の国花、赤白のバラがライオンの横に見えています。
ユニコーンはライオンとともに英国王室のシンボルと言うか、マスコットです。真ん中の丸い盾はヴィクトリア女王の紋章です。(撮った写真を見て検索、確認しました)...こっちが「ヴィクトリア」の....
そして向かって右側には「ブル」のシンボルがわかりやすく外壁に取り付けられています。
この雄ウシ(ブル)は悟り切ったような穏やかな顔、あるいはめんどくさそうな顔をしています。
この雄ウシの下の戸口はナイトクラブの出入り口でした。ヴィクトリア&ブル・ホテルは現在はパブとナイトクラブに分かれて営業しているのかもしれません。
上からクリーム色のペンキを塗りたくった後、クリームからぬっと突き出したような雄ウシの頭となぜか角にはめられたわっかのようなものに彩色したようですね。わっかにつながる花綱ももともとは色がついていたのではないかと思えます。
ヴィクトリア&ブル・ホテルの斜め向かいの、古いレンガ造りの建造物の...
入り口上部のレリーフのポイントになるライオンの頭と天童の顔と翼だけが金色に彩色されていました。
バラ色の舌を巻きあげて咆哮する大口を開けたライオンはちょっと珍しのではないでしょうか。
勇ましく威嚇というより、あくびしているマヌケ顔に見えなくもないですね。
ロチェスターの街について書いた2本の記事のリンクです☟