イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

スノードロップが咲く環境保護エリアで見た環境破壊への静かな抵抗

2023年02月17日 05時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

おなじみの、住宅街の中にある鉄柵で囲われた小さな自然保護エリアです。

 

上の写真の柵沿いにちょっと歩いて反対側に行くと...

 

ちょうど、今が盛りのスノードロップの群生の向こうに木彫りのフクロウ、ヴェーラがいます。

静かな通りからスノードロップの咲いているクルマが行き来する広い通りまで歩いている途中、緑のハートがいくつもぶら下がっていることに気が付きました。

 

ほぼ等間隔で、柵に結び付けられた素材や技法はまちまちの、中に薄く綿を詰めた手作りのハートの数々です。

 

去年も、バレンタインデーデーの頃、この、地球温暖化に抵抗する静かなアッピールについてストックポート日報で取り上げました。より注目度が上がっているらしい今年ももうー度、より詳しい記事にします。

温暖化というより「気候変化 climate change 」ですね。

気候変化への抵抗のシンボル、この緑のハートがいろいろな場所で人の目につくようになると、企業や行政も人々の意思を無視するわけにはいかなくなるというのがハートを作って公共の場にディスプレイし続ける運動の趣旨のようです。

手短に書かれたA4サイズの説明書きがありました。The Climate Coalition という連合王国全体で活動するかなり大掛かりな団体の、啓蒙活動や基金集めのイベント、地元選出の国会議員に手紙を書くなどと並ぶ地道な活動のうちのひとつらしいです。

 

私と一緒に足をとめてスノードロップの写真を撮っていた通りがかりの女性は「緑のハートは持ち帰っていいものらしい」と言いました。

大掛かりなディスプレイのあった別の場所で「ご自由にお持ち帰りください、そして外から見えるところにつるしてください」という札がかかっていたのを見たそうです。たぶん...もらって帰っていいんでしょうね。自分の住むエリアにも活動に賛成の意思を公言しよう!というような意味なのかもしれません。

ただ、私もその人もここにまとめて置いておいた方が見栄えがしてキレイだからそのままにしておきましょう、と意見が合いました。

グループのウェッブサイトにはいろいろな手芸の緑のハート(ビスケットやピザを含む)づくりのアイデアが紹介されていました。緑の紙をハート型に切り抜くだけでもいいみたいです。

自分の作ったハートを公共の場所にディスプレイするのに、団体の承認や登録などは必要ないようです。

勝手に、それこそゲリラ的にどんどんぶら下げていいようです。ただ、勝手にやっても活動の趣旨を書いたA4サイズの説明書きはたてられないでしょうけど。

私がボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムがある商店街の広場で、児童遊園の柵の周りを囲う毛糸とフェルトの緑のハートを見かけました。

どうやら、1人の労作のようです。活動の趣旨を書いた説明書きは見当たりませんでした。「なんだろう」と思って見ていた人はいるはずです。賛同する人は同士を得た気で心強く思えるのでしょう。

ヴェーラの周りの緑のハートは4人以下のグループの持ち寄りだと思えました。4種類別のデザインがそろっていました。ピンキングシザースでまわりを切った2種類の違う柄の布製は同じ人の作かもしれません。

私も来年は挑戦してみてもいいかもしれません。(1人では寂しいです)

ひとりひとりが声をあげるのが重要なんですね、納得です。「声を上げる」といっても道路に寝転がって交通を遮断したり、自分の体を木に縛り付けて伐採に反対したりドラマチックなことをして警察ともめるのばかりが環境保護、気候変化阻止運動ではありません。

チクチクとハートを縫って下げていくという手もあるのでした。

 

 

ヴェーラも木の板でできた緑のハートを首から下げていました。

 

うちの近所の集会所の花壇に咲いた、春を告げる第一声、スノードロップです。

 

コメント (4)
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