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国家公務員給与削減特例法違憲訴訟

2012-05-25 | 社会問題

「人事院勧告に基づかずに国家公務員給与を引き下げる特例法は憲法違反だとして、国家公務員241人らが国を相手に、給与の減額分や慰謝料など約4100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした」との報道があった。

民主党は、東日本大震災の復興支援に充てるとの名目で、人事院総裁も反対する中、特例法を制定し、2年間(それも延長される可能性が高いとのこと)、人事院勧告をまったく無視する形で、国家公務員の給料を平均7.8%引き下げることにしたのはご承知のとおりである。

原告は、全労連系の日本国家公務員労働組合連合会の組合員とのことで、彼らの思想にはたぶん同調できないが、まあ、訴訟は当然だろう。憲法で保障されているはずの労働基本権を制限し、代替措置として人事院勧告という制度ができたはずなのだから、それを無視して政府の恣意で給料が決まるのではどう考えてもおかしい。

また、人事院勧告に基づかず給料を引き下げることだけでも十分違憲材料であるのに、東日本大震災の復興支援という公務員の労働成果と何の関係もない理由で削減することはまったく合理的とはいえない。民間企業でもこんな直接関係のない理由では引き下げられないだろう。

ところで、国家公務員の給料に関するこの訴訟、最近の裁判は結構世間の目を気にするということ、裁判官も国家公務員であることなどを考えると、訴訟技術も相まって勝負は微妙なところではあるが、純粋に考えれば原告勝訴の可能性が高いと思う。訴訟の行く末が楽しみである。

なお、これを地方公務員や特殊法人にまで強要して裁判になったら、相当高い確率で訴えた側の勝ちになると思う。地方自治体は東日本大震災と関係なく、引下げの合理的な理由がなんら存在しないからである。しかも、被告は当該地方自治体自身になり、負けたら自治体の負担である。国に強要されて引き下げるのにこれではたまったものではないだろう。

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1 コメント

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本末転倒というと (ベル3)
2012-05-27 23:09:01
女性宮家の創設問題は、宮内庁職員数の維持だそうで。リストラとは無縁。
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