若林亜紀という女(女呼ばわりである。)の書いた「ドロボー公務員」という本を読んだ。立ち読みしてから買えばよかったのだが、ついアマゾンで買ってしまい、後悔している。こういう本を買う人というのは、公務員で人目が気になる人か公務員を叩いてウサを晴らしたい人のどちらかである場合が多いであろうが、どちらにとってもたぶん役には立たないだろう。
というのは、この本、データの検証がきわめて雑で、何かのデータの都合のいい部分だけ引用したり、出典が明確でないものを孫引きしたり、ひどい状況である。無償であるこのブログでもある程度は検証した上で載せているし、大学生のレポートでももう少し検証すると思うのだが、金を取っているのにそれ以下のザマである。ツッコミどころが満載なのでいちいち指摘しているとキリがないが、ひとつだけ挙げておこう。
帯には、公務員の平均年収1001万円、という派手なうたい文句が踊る。そんな高収入の公務員は見たことがないし、まわりの公務員に聞いてもありえない数字だとのこと。総務省の地方公務員給与実態調査によると、平成22年の地方公務員の平均給与月額は、一般行政職で418,016円、全職種(教員や警察などは高いのだ。)でも427,227円である。年収でだいたい600万円程度か。どこをどう計算すると1000万円になるのだろう。ボーナスが500万円なのか。
この金額、「国民経済計算」というものを使っている。国の発表した数字なので信用してしまうが、この統計は、公務員の給与にいくら支払ったかという数字であって、公務員がいくらもらったかという数字ではない。人を雇えば保険料などの諸経費が何割か余分にかかるのは当然である。ほかにも数字操作の疑いがあるが、証拠(そもそも「この本には計算根拠が載っていない。)がないので書かない。
それはそうと、この女、どうやら政府の外郭団体にしばらくいたときのとってもおいしい経験(そちらはありそうな気がする。)をもとに、それを全公務員に類推して書いているようだが、まあ、公務員にもいろいろあるわけで、ワタクシのまわりの一生懸命働いている地方公務員にはまさに風評被害である。
こういう本を書く人というのは、公務員制度の研究をしている人か、純粋に感情的に公務員を叩きたい人か、何でもいいから金儲けをしたい人か、公務員叩きを利用して有名になりたい人のいずれかである。ちなみにこの女、著者略歴によると慶応の法学部の出身だそうで、人は学歴でないという説に同意である。
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実際安定はしててもそこまで貰ってい無そうです。
換算すると時給500円でした
長く務める処ではありません
今人材がないのと違うかな
実情を知って辞める人多いよ