先日、長浜にある「黒壁スクエア」に行ってきた。行ってきたといってもそれが目的だったわけではなく、もう少し先に用事があって、時間と場所がとても都合がいいため、昼食に立ち寄っただけなのではあるが。
黒壁は、和風の情緒ある町並みと古建築を活用した美術館、ギャラリー、工房やレストラン、カフェ、ショップが集積するエリアで、第三セクターでの開発の成功例として有名である。休日のにぎわいとは比較にならないものの、地方都市の平日の昼だというのに、まあまあの人出である。シャッター通りを見慣れている目には新鮮で、うらやましい。
県内の町に当てはめてみると、基本的に「歴史や文化の薫り」が必要なので福井市にはちょっと無理だが、越前市(武生)の「蔵の辻」や小浜市の「三升町」など、規模は小さいものの、コンセプト的には「ミニ黒壁」になれる可能性はあると思う。
ところで、歴史や文化があり、さらに港があるのが敦賀市である。港といえば、北九州に「門司港レトロ」という地区がある。何度か訪れたが、国際貿易港として栄えた門司港一帯には、JR門司港駅はじめ当時の面影を偲ばせる古い街並みが残されており、関門海峡の美しい景観と相まって多くの観光客でにぎわっている。
敦賀もまさに同じようなリソースがある。敦賀は歴史ある港町であり、海も山も美しい。なんといっても、かつては欧亜国際列車が出発していたのだ。敦賀港駅舎、赤レンガ倉庫など、当時をしのばせるノスタルジックな建造物も数多く点在しているし、舟溜り、魚市場など観光資源もたくさんある。ポテンシャルは高い。
しかし、以前から指摘されていることではあるが、敦賀はそれぞれの資源が点になっていて、回遊性が今一つないのだ。歩いて行くにはちょっと遠かったり、そのつど車を停めなければならなかったりして不便なのである。黒壁や門司港のように、エリアとして観光客を呼び込むことができればいいのだが。
敦賀は原発がある町であり、これまで原発で十分潤っていて、観光客を増やす努力というのが足りなかったのではないだろうか。否応なく新幹線は来るだろうし、駅前の再開発や市立の看護大学もできるそうで、これからますます交流が盛んになる。今後、観光で生きる道を真剣に考えておかないといけない。(写真は上から、黒壁スクエア、門司港駅、敦賀港駅復元駅舎。こうして見ると若干見劣りはするけどね・・・)
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