ご承知のように福井県には、多くの原子力発電所がある。東京電力の福島原子力発電所の電気が首都圏に送られているように、福井の関西電力美浜、高浜、大飯の原子力発電所の電気は関西に送られ、関西の電気の半分をまかなっている。
これまで、国や電力会社は絶対安全と言いながら、原発を人口密集地から遠く離れた場所に作ってきた。若いころ、そんなに安全なら東京湾や大阪湾の沿岸に作ればいいのにと思ってきたが、電力会社の公式見解はこうである。
「原発の立地条件は、広い敷地を確保でき、海や川から大量の冷却水を確保でき、堅固な岩盤を有すること等であるが、東京や大阪など大都市周辺では上記の条件を完全に備えているところがなく、とりわけ大都市は河川の堆積平野に位置するため、堅固な岩盤を確保することが難しく、立地は極めて困難である。」(関西電力ホームページ)
ところが、先日の福井新聞「キッズ風の森」には原発が地方にある理由として、「電力会社や国は、原発とひきかえに、産業をさかんにして、つとめ先をふやすことなどを約束して、なんとか新しい発電所をつくってきました。しかし、東京など都市部は産業が発達しているので、そういう交換条件がありません。」とあっさり書いてあった。
おいおい、それは違うだろう。原発の立地条件は、地元が「産業をさかんにする」という条件に応じることなのか。結果的にそうなった面ももちろんあるが、それはやはり言っちゃいけない話だろう。少なくとも原発立地県福井を代表する地元紙が子供向けに書くことではないと思う。
国策に協力して、原発と共存するまちづくりを進めるために交付金をいただいただけであって、別にこちらからお願いしたわけではない。そもそも、公共施設がたくさんできただけであって、「産業をさかんにして、つとめ先をふやす」ことなど、さっぱり実現していないではないか。
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