チリ落盤事故の作業員全員が69日ぶりに全員救出されたとのニュース、大変喜ばしいことである。サバイバルには体力ももちろん必要だが、精神力というのが相当重要な要素であることがよくわかる。
地下に置いてきぼりにされた人間の心理状態には想像を超えるものがあるが、地上に連絡が通じるまでの17日間とその後の期間、それぞれ強靭な精神力とリーダーシップで耐えたわけである。きちんと記録もされており、極限状態におけるサバイバルケースとして、集団のコミュニケーションやリーダーシップのあり方など、今後の貴重な研究材料や学術データになるだろう。
こうした状態においても集団の秩序が保たれていたことには驚くとともに、リーダーその他の方々には本当に敬意を表したい。例えば不特定の観光客だったら難しいだろうし、逆に、頭脳は優れているが権利主張が強い職業の方たちであってもうまく行かないのではないか。
ところで、大変失礼な言い方になるが、例えばもし33名全員でなく30名しか救出できないというデマが流れたらどうだっただろう。大パニックになっただろうか。それでももやはり秩序は保たれたのだろうか。地位・年齢や体力などで救出されない3名を選び出すのは正義だろうか。それとも、全員が救出される見込みが立つまで全員地下にいるのが正義なのか。サンデル教授的課題である。
それにしても、地上に出た瞬間、愛人問題が発覚する人もいたりして、ヒーローの彼らに当分プライバシーはないようだ。なにせ、マイナーがメジャーになったのだから。