躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

森の中のおばあちゃん

2008-06-12 20:17:08 | Weblog
昨日から来ていた息子のお嫁さんと、
森の中で一人暮らしをしているおばあちゃんを訪ねて行きました。

小降りの雨の中、庭にはたくさんの大きな水溜りが出来ていた。
それでも、青紅葉をはじめたくさんの大木の緑が雨に濡れて綺麗。
ニッコウキスゲやどくだみの白い花のじゅうたん、名前を知らないピンクのお花畑など見て周っていると、
古い小さな家のガラス戸が開いて、
おばあちゃんが縁側から声をかけてくれた。
94歳のおばあちゃんは白髪のおかっぱ。
お元気なお顔を拝見しただけで嬉しくなってしまいます。

「どうしてこんな雨の降る日にいらしたの?」
私「雨に濡れて、こんな日の方が緑が綺麗ですから。」
とても嬉しそうに、「あなたは、ほんものね。」
「あなたにお願いがあるのだけど、新聞を取ってきて下さらない?」
大きい水溜りのある通路を雨のなか、新聞受けまでの10メートルが
おばあちゃんには大変なこと。
新聞は2日分あった。
「テレビは嫌いだから、ないの。新聞でも読まないと世間のことがわからないのよ。」

「変なのよ、小鳥があまり来なくなってしまったの。私、見放されたのかしら。」
私「うちも同じです。鳩も見かけなくなったし、今年は小鳥がとても少なくて、なんだか変ですよね。私も見放されてます。(笑)」

「私、数日うちに死にますからね。でも、このおしゃべりな口だけは残るわよ。」
私「死ぬなんてそんなことおっしゃらないで。」
「あら、光の天国へ行くのだから良いことなのよ。地獄なんかには行かないわ。
万歳万歳よ。」
前回より一段と小さくなられて、目からはずっと目やにが出ていた。
笑顔で話されていたけど、
このお年になると、生きていることの方が大変なことなのかもしれないと思った。

町の広報塔からお昼のチャイムが聞こえておいとまをする時、
バイバイと手を振るおばあちゃんは本当に可愛かった。