躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

自転車

2007-11-01 21:33:25 | Weblog
くこの実
(写真:とうちゃん)

ここに引っ越して来てからは、何処へ行くにも車だった。
なんせ、バス停まで1キロで、バスは1日6,7本・・・あるのかなあ。
それだって、引っ越して来たときには走ってなかった。
3キロ先のスーパーも引っ越して来たときにはなかったので、5キロ行かなくてはならなかった。
田舎は車社会だ。
どこに行っても広く駐車場がある。
バックしないで入れて、出るときもそのまま前進すれば出られるところを見つけるのが私の趣味だ。(笑)

で、気がついたらあまり歩かなくなっていた。
「農作業をするでしょ。」と言われるけど、畑を歩いても大した距離にはならない。
ましてや家庭菜園ではね。
それで、1キロ先のあっちの畑に行く時は歩こうと思ったけど、
鍬(くわ)や、肥料などの荷物、それから収穫物があるため、やっぱりほとんど車で行くことになる。

ふと納屋の自転車を思い出した。
この家は私たちが3代目。
先住者、つまり2代目は別荘にしていてほとんど住んでいなかったので、
納屋にそのままになって引き継いだ自転車は、きっと初代のご主人のものだろう。
この家を建てた人だ。
都心から田舎にあこがれて引っ越して来た「田舎暮らし」の先駆者だ。
車に乗れなかったようなので、この自転車で遠くまで出かけたのだろう。
そのころのこの町は、もっとゆったりとした田舎時間が流れていたことだろう。
2、30年経っているので錆びだらけで、塗りなおしたらしいペンキも剥げかけてまだら模様だけど、まだまだ使用に耐えられる。
荷台には2センチの厚さの木の板が頑丈に取り付けられている。
大き目の荷物を載せるには重宝する。
プチではなく、本物の田舎だった頃に活躍していた自転車。

今日は落花生(ピーナッツ)と小豆の収穫だから、大物の荷物はないのでピッタリだ。
荷物を縛るゴム紐だけが真新しくて、くすんだ色の板の荷台に映えた。
長靴を履いてギコギコ漕いで行くと、なんだかここの暮らしがしっかり身についた気分になった。