「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

『幸福な食卓』

2007年05月27日 | 今日の1作 
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』 講談社

映画化もされた作品(そっちは未見。見ておけば良かった… )。
父の自殺未遂後、家を出て行った母、仕事を辞め「父」をやめた父、
優等生をやめ農業を始めた兄、事件があった梅雨時になると体調を崩す佐和子
の4人が「家族」として再生していくという話。

それぞれが真面目すぎるために
理想の型にはまろうとしてはまれない分のゆがみを
どうにも処理できなくて破綻してしまう、というのはわからなくもない。
それぞれがそれぞれを気遣いすぎてぎくしゃくしてしまうことも。

だから、大浦くんとか小林ヨシコみたいな
人の心にズカズカ踏み込んでくるようなキャラクターの存在で癒されるんだよね。

それにしても、「ああ、ハッピーエンドに向かっているんだなぁ」
と思った矢先の大浦くんの事件のところはショックだった。
それでも人はゆっくり癒されていくんだな。

最近、瀬尾まいこばっかり読んでるなぁ。
これで3作目。その他に既読2冊、未読1冊が手元にあります。
どれもさらっと読めるのに、心の深いところに引っかかる感じ。
静かな気持ちになれて、今いちばんのお気に入りです。(^-^)


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