切通し 進々堂
京都市東山区祇園町北側254
TEL 075-561-3029
定休日 月曜日
祇園権兵衛で美味しい昼食も終わり、午前中頑張りすぎて疲れがたまって取れないため、
権兵衛の数軒隣りにある切通し進々堂さんに早速ティータイムにしてしまった。
当店は1946年(昭和21年)オープンで場所柄常連の舞妓さんや役者さんに愛されてきた店で
店頭では自家製の米菓やゼリー、ケーキを売っているが奥には喫茶スペースがある
隠れ家的なベーカリーカフェだ。
因みに切通しとは東山区内の南北の通りで、
北は新橋通りから南は四条通りまでわずか約180mの通りに見えるが、北は古門前通りまで続く、
祇園の中心で石畳が敷かれ風情ある景観が続く地域だ。
奥の喫茶コーナーはレトロな内装で
特に赤い皮張りのソファーが昭和チックで哀愁すら感じてしまう。
舞妓さんや役者さんに気に入られるのがわかるような祇園の空気が流れている。
席数はたった13席。
あまり飾り気もなく全然お店っぽくなく観光客に知られていないのが逆に受けているのだろう。
京都で有名な進々堂さんは1913年創業。
109年の歴史でスミダマンの会社の1つ後輩ということで、より親しみを感じてしまう。
創業者は「パン造りを通じて神と人々に奉仕する」と言って開業。神とは何だろう?
現在はベーカリーレストラン4店、ベーカリーカフェ3店、ベーカリーショップ4店の11店舗あり、
そのうち京都市内には7店舗ある。
現在の当店のコンセプトは「お客様の命の糧となる、まじりけのないパンを造りたい。
パンのある心豊かな生活をお客様と分かち合いたい。」だ。
メニューはオーソドックスなソフトドリンク。
普通サイズとジャンボサイズがあり、1ドリンク制を採っている。
創業から長い歴史の中で元々パン屋さんが途中から喫茶を始めたとか。
玉子トースト、玉子サンドイッチはそんな流れのメニューか。
それにしても京都人は玉子サンドが本当に好きなようだ。
スミダマンは体が甘さを求めていたのでカフェオレを注文。
出てきたグラスがご覧のようなお店オリジナルの「切通し進々堂」銘が書かれた
歴史の重たさを感じさせるグラスだ。
店内の壁にはいかにも祇園らしい舞妓の祝袋が貼ってある。
お店の人に祝袋のことを聞いてみたら1,000本(花街では一定時間を1本という単位で表す。)
達成したらこの袋を出すそうだ。
祝袋の下にはなぜかわからないが佐伯泰英の本が4冊飾られていた。
こちらの袋はちょっと
ぼやけてしまったが引退する時に出した引祝の袋だそうだ。
一番上の段に飾られている紅白のボールは「福玉サイン」といって
薄く焼いた2枚の餅皮を張り合わせて球状にしたもので、
中には翌年の干支の置物や人形などが入っている。
芸舞妓が1年のねぎらいにお茶屋やなじみの客から買ってもらう縁起物で
全国の花街でも祇園のみに伝わる風習だとか。
この球は除夜の鐘を聞いてから割るしきたりで、
中にどんな縁起物が入っているかで新年の運気を占い、
もらった数で舞妓たちの人気のバロメーターになったという。
店頭には小澤征爾・征悦親子、木村文乃、小栗旬・山田優、東儀秀樹の
サイン入り福玉が展示されていた。
他にもロールケーキ、舞妓さん好みのあかーい・きいろい・みどりのゼリー(350円)、
袋入りアメ、こんぺい糖などが売られていた。