新年度から建築部に新入社員が入社し、さっそく研修が始まった。
この日は晴天の中、水準測量用の機器、オートレベルを
使ってのレベル出しの実技の研修。
先輩からの優しい指導に興味津々。新入社員はやはり初々しい。
建物をまっすく垂直に立てる基本はレベル。
水平に視準線から作業に必要な高さの基準を出すことを
「レベルを出す」「ベレルを見る」という。
このオートレベルより扱いが難しいのが通称「トラ」(トランシットの略)。
こちらは角度を測る測量機器。これが使えるだけで
職人に「監督さん」と呼ばれ、一目おかれる存在と成る。
気泡が目盛り線間の中央に位置させないと水準測量又は
高低測量は狂ってしまう。まずレベルの水平チェックから。
レベル出しに使われるのが墨つぼの道具。
パッと倉庫から持ってきただけで3種類もある。
昔大工さんが使っていた墨つぼよりはデザインが随分進化している。
奥にいる新人写真が持っている棒が通称「バカ棒」。
一人がバカ棒を持ちレベルを覗く人がバカ棒に付けられたターゲットを
ねらって上げ下げを手で合図する。その微妙な手指の
動きにそれぞれ持ち味、個性が出る。