神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
http://www.kikumasamune.co.jp/kinenkan/
菊正宗酒造㈱・キクマサ略称は創業が万治2年。
灘の酒を造り続けて330余年。変わること無く培い続け継いだ
酒造りで業界大手として清酒業界をリードしてきた。
樽酒ではトップシェアを誇っている。
現在の地に昭和35年に移転してきて、記念館の来訪者も
年間5万人に達した。しかし、平成7年1月の阪神淡路大震災に
よって倒壊してしまった。平成11年1月25日、全面建て替えて復興オープンした。
2階建てで耐火、耐震構造延1400㎡(424坪)伝統的な
酒蔵をしのばせている。現在は年間10万人以上もの来館者がいるそうだ。
1階は酒蔵展示室と唎酒、物販コーナーに分かれている。
映像展示コーナーもある。2階は文化財収蔵庫で
国指定重要有形民俗文化財「灘の酒蔵用具」を収蔵している。
入口の壁には昔懐かしい大看板と清酒を入れる陶器のうつわが展示してある。
この一枚の大看板は阪神淡路大震災で
一部破損したが貴重な看板だけに修復して復元したそうだ。
館内を丁寧に案内してくれた菊正宗の社員の方。
天井には幾つもの杉玉が飾られていた。菊正宗さんは奉納する
神社が決まっており、手前の大玉が5万円、奥の小玉が3万円の寄付と言っていた。
尚、杉玉とはスギの葉を集めてボール状にした
造形物で酒林とも呼ばれてる。日本酒の造り酒屋などの
軒先に緑の杉玉を吊るすことで、新酒が出来たことを
知らせる役割を果たす。「搾り始めました」という意味である。
もう一方の壁には菊正宗350年のあゆみの年表が。
現在の社長は12代目だとか。因みに菊正宗さんの年間売上は110億円だそうだ。
「重ね蔵」の模型。冬期仕込蔵は六甲おろしを受けて酒蔵に
好適な低温と成り、夏、南からの日光の直射をさえぎり
貯蔵庫の低温保持が図られる。縮尺は1/40。
酒造りに使われた用具類を展示し、会所場から囲場までを
再現している酒造展示室。「菊正宗・生酛づくりの心」を時、場、人の
3つの柱を軸とした三段仕込み展示で体感できる。
酒造りには「飯米」と呼ばれる一般米と酒造りだけに使われる
「酒造好適米」が用いられている。酒造好適米の代表
「山田錦」は灘酒とともに育ってきた最良の酒米で六甲山の
北側の兵庫県美のう郡や加東郡が主産地だ。
ふるさと丹後を後にして来た杜氏が酒造りの為に生活していた
部屋を再現した「会所場」。
ここ麴室では撮り込んだ蒸米にもやしをまく。指先に全ての神経が
集まる床もみ、そして切り直し、盛り、積み替え・・・
男達の心を込めた手仕事でやがて白くきらめく破精麴が生まれる。
酒造と槽場(ふなば)
しぼりたて試飲や唎酒体験ができる唎酒コーナーと記念館限定のお酒や、
楽しいオリジナルグッズも販売している物販コーナー。
「菊正宗」は関東地方に根強い人気を誇り辛口が多い。
料理と一緒に飲む酒として人気があるそうだ。
水車が回る精米小屋は、はねつるべ、干されている半切桶や
櫂など、酒蔵前庭の風景を表現している。又、進学校としても
有名な超難関校 灘中の設立は菊正宗、白鶴、櫻政宗が
共同として行なったとのエピソードは知らなかった。