https://www.hotelthemitsui.com/ja/kyoto/
二条城至近の地に250年以上にわたって存在した三井総領家ゆかりの地に2020年11月3日、
国内最高級のラグジュアリーホテルが誕生した。
ホテルの象徴でもあるエントランスには300年を超える歴史を持ち、
三井家も所有した梶井宮門を修復し当時の姿を再現している。
当時から受け継がれてきた門や灯籠など多くの遺構とともにこの地に脈々と刻まれた
「時の記憶」を踏襲しながら新たに現代に蘇らせること、
そして三井不動産グループの新たなフラッグシップホテルとしてグループの総力を結集して
日本最高峰のホテルブランドを目指すことだという。
HOTEL MITSUI KYOTOというホテルの名称にはそのような想いが込められている。
後ほどホテルの素晴らしい内部を紹介しますが、
何よりも素敵で感動したのがホテルの建物に優しく包まれたお庭と池の造りだ。
庭園の樹々はまだできたばかりで風格がでるには若干の時間を要するだろうが、
庭の中に造られた能舞台、そして一部の池が流れている幻想な風景。
しばらくじっと見ていても飽きず、うっとりと見とれてしまう程、魅惑的な池だ。
ホテルの方の話だと池の深さは赤ちゃんでも溺れない深さ3cmという気配りで造られたそうだ。
ここにはこの地が継承する気品、心地よいラグジュアリー、モダンな和の空間美で、
すべてのお客様にかけがえのない時間を提供している。
この不思議な造りの通路は、わざわざ香港のデザイナーに
伏見稲荷の鳥居をモチーフにクリエイトさせたデザインだそうだ。
この様な発想が素晴らしいと思う。
表の玄関に入ると目の前に広がる心地よい空間。
そして巨大なガラス面の先に広がる池の庭園風景。
当ホテルのグランドコンセプトは「日本の美しさとENBRACING JAPAN'S BEAUTY」。
このコンセプトのもと伝統文化や建築、工芸、食などに見られる
日本独自の美しさ、くつろぎが提供されている。
とてもシックで大人の雰囲気のラウンジの周辺にはいかのも京都らしいお茶のコーナー、
そしてちょっと押さえめで渋く落ち着いたチェックインカウンター。
たぶん国際観光都市であろう京都らしいコンシェルジュカウンターが3つもある。
そしてその真ん中には弁柄色のオブジェが。そして各テーブルの上には
丸い苔の器が。
最近ホテルで目に付いて気になるコーナーエリアがライブラリーだ。
このホテルのライブラリーは小ぶりなスペースだが、
とてもシックな造りで思わずゆったりと座りたくなってしまう。
ホテル客室エリアの廊下と粋な絨毯。
いかにも京都らしい枯れ山水の石庭風のデザイン。
最初に見たときは「なんじゃこの柄は?」と思う程、アピール度がある。
案外使い込んでいくと汚れが目立たない柄かもしれない。
ルームNoの表示デザインは意外と地味でシンプル。
フォーシーズンズ京都の方が考え抜いたデザインでアピール度が高かった。
こちらはスイートルームのリビングルーム。
HOTEL MITSUI KYOTOには邸宅にふさわしい悠然としたたたずまいがすべての客室に息づいている。
大切な人を招き、もてなす日本の茶室を現代的に解釈し、
選び抜かれた天然の素材と卓越した工芸技術で全161室の客室をつくりあげている。
こちらはベッドルーム。
あまりゴテゴテした飾り付けもなくスッキリした仕上げの作りになっている。
浴室には石造りのバスタブをしつらえ、足を伸ばしてゆっくりと寛げる。
ドレスルームコーナーもシンプルですっきりしていて好きなタイプの作りだ。
ミニバーコーナーには当ホテルのシンボルになっているのか、苔のディスプレー置物がある。
この苔のモチーフはいたる所で見かけた。
エレベーターの押しボタンが意表をついたデザインで思わすパチリ。
押しボタンと気付くまで若干の時間がかかった程だ。
消火器を隠す意匠もさりげなくスッキリ。
これを見て谷川温泉の仙寿庵を想い出した。
ホテル内をくまなく見学していくといたる所に目が留まるデザインの飾り物があった。
どれも共通しているのは重厚で落ち着いたシックなデザイン。
本当に素晴らしい。
光と陰を演出したもの、本物の素材でうったえてくるもの、
廊下の随所に掛けられたブルーの友禅風のタペストリーも品の良さが出ている優れものだ。
こちらは地下にある広さ101~111㎡もあるOnsenスイート。
この部屋は当ホテル指折りのラグジュアリーなスイートです。
室内は独立したリビングルームとベッドルームから成り、
インテリアの多くを桜の木でしつらえた和の美しさを感じる空間が広がっている。
敷地の地下深くから湧き上がる天然温泉の露天風呂をしつらえたOnsenスイート。
露天風呂からは植栽や灯籠をしつらえた庭が見ることができ、
坪庭を囲む二条城を意識したと思われる風格の石垣とともに贅沢な入浴を満喫することができる。
一般のホテルにあるのはボールペンとメモ用紙なのに、
当ホテルは京都らしく筆が用意されていたのには驚いた。
客室の窓からはちょっとわかりづらいが二条城がちらっと見える。
これで当ホテルとの距離、位置関係がわかると思います。
当ホテルのレストラン&バーは京都産をはじめ、
日本国内外の選りすぐりの食材と料理人の卓越した腕による最上の食のおもてなしがまっている。
ここイタリア料理の「FORNI」では薪窯で焼き上げるピッツァから本格的なグリル料理まで、
モダンに昇華した和の空間で、二十四節季の旬が味わえる一皿が届けられる。
ここにも苔のデスプレー置物が。京都は苔が良く似合う。
トイレの中もやや照明を落とした大人の雰囲気でお洒落。
入口の扉がとてもトイレの物とは思えないデザインで思わずトイレなのにシャッターを押してしまった。
レストランの入口の大きな窓に小皿でディスプレーされたオブジェ。
これだけは自分的にはNOという感じのものだ。
こちらは当ホテルの裏側の門。
ご覧のようにどこまでも続く日本瓦の塀。
裏といっても全く手は抜いておらず、逆に侘び寂び的な空気が流れ、
こちらも表門とちがった味のある空間になっていた。
この油小路二条下る西側(現HOTEL THE MITSUI KYOTO)の一帯は江戸時代後期、福井藩の藩邸があった。
藩邸は藩の京都連絡事務所で、留守居役が詰め、町人の御用掛を指定して各種の連絡事項に当たった所だ。
そもそも福井藩は慶長5年(1600年)徳川家康の次男・結城秀康が封ぜられたのに始まる親藩の雄藩で、
石高は最大68万石、江戸中期以降は32万石、幕末に松平慶永(よしなが)が藩主になってから
人材を登用して藩政を改革し、更に公武合体運動を進めて幕末政局に一方の旗頭となって活躍した。
この藩邸は幕末の福井藩の活躍に大きな役割を果たした。