1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

日々感謝

2005年04月01日 | Weblog
和波たかよしさんのバースデーコンサートに行ってきました。

サントリーホールはなんだかとても久しぶりで、会場に着く前からわくわくしました。
広場でサントリーモルツの試飲もし、気分良くロビーへ。
今日の記念に、和波さんの著書を購入しました。
読み終えたら本棚に掲載します。

今日のコンサートはとても素晴らしかった。
ひとつひとつの曲についてどうこう書けないんですが、本当に行ってよかったです。
和波さんが演奏に司会に大活躍でした。
トークもとてもお上手で、会場は大いに盛り上がりました。

休憩をはさんで、2部からは美智子皇后様がご臨席でした。
客席は総立ち、大拍手でお迎えしました。
2階席にいらしたので、近くで拝見できました。
別世界の方のようでした。ありがたい気持ちになりました。

和波さんに内緒で「ハッピーバースデー」の演奏のプレゼントがあり、その後のアンコールも大熱演ですごかったです。

和波さんの演奏会ということだからか、客席には視覚障害者の方が多かったです。
終演後、駅に向かう途中で、道を探しているような感じの視覚障害の方に会いました。
ご案内しましょう、と友人と共に声をかけたら、バスで新橋駅まで行きたいとのことでした。
私は地下鉄で新橋へ向かうつもりでしたが、バスでご一緒することにしました。

新橋に着くまでのあいだ、いろいろな話をしました。
サントリーホールは、NHKホールなどより視覚障害者には親切な施設だということ、和波さんは点字新聞にCD新譜評を書いていて、それがとてもおもしろく、いつも紹介されているCDを購入して聴きながらまた解説文を読むととても楽しめるということ・・・。

私が視覚障害の方にマンドリンを教えてる話をしたら、どうりで慣れてると思いました、と言われました。
24時間テレビで視覚障害の方と知り合い、誘導するにはどのようにしたらいいのかを教えてもらいましたし、実際何日も一緒に過ごして実践してきたので、街中でも気軽に白杖の方に声をかけられるようになったんです。ありがたいことです。

偶然にも、その方の実家と私の家が同じ方向だったので、私の最寄駅までご一緒しました。
新橋から横浜まで東海道線に乗りました。
週末の遅い時間ですし、ほどよく混んでいました。
私達の前に座っていたのは30歳前後の健康そうなサラリーマン2人連れ。
白杖を見たら、当然席を譲るだろうと私は思ったんです。
が、しかし。
2人は楽しそうに歓談し続け、白杖も、私の冷たい視線も無視し続け、最後まで席を譲ろうとはしませんでした。

私は途中からだんだん不愉快になってしまい、降りる時にはひとこと言ってやりたいと思いました。
よく、のん気な顔をして座っていられますね、気持ちが咎めないですか、と。
でも、その場は我慢しました。

私鉄に乗り換える途中で、私は彼にさっきの電車の中の状況を話し、出かけて嫌な思いをすることはないですか、と聞きました。
その返事は、

「確かにそういうこともあるけれど、親切な人も多い。そうでなければこうして1人で演奏会に出かけたりできません。回り道をしてまで案内してくれる人もいます。日々感謝です」

というものでした。
私はさっきまで怒っていた自分が恥ずかしくなりました。
彼のように視点を変えて、「してもらってうれしいこと」の方に気持ちを向ければ、いつも感謝の心で過ごすことができるんです。

こんな風に、私はお手伝いをしたようで、実際はとてもたいせつなことを教えてもらいました。
私も、素晴らしい演奏と、今日の日にぴったりの偶然の出会いに感謝です。
コメント
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