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春の雪 (2005/日)(行定勲)

2005-10-29 22:17:31 | 映画遍歴
行定勲監督、三島でも白眉の「春の雪」、大丈夫だろうか、、。見る前からかなり心配しました。でも、撮影がりー・ピンピンと聞いてから、興味津々。彼のカメラはホウ・シャオシェン、ウォン・カーウァイ映画ではまさに主役。豊穣な色合いの恋愛映画が楽しめる。今回は映像の楽しみから入りました。
セリフ自体がもう三島文学の匂いがして最近の日本映画ではもうかなり新鮮。若いときは僕らもこういう観念的な会話も良く交わしていたなあなんて、懐かしく思う。(あ、関係ないか。)
2時間30分、格調の高いまま、また緊密なリズムを保って行定勲は大正時代を描いていく。
これは驚き。リー・ピンビンの映像も深いけれども、美術もいいなあ。大正の刹那的な華やかさも色濃く出ている。
脚本も本当の燃え焦がす恋心を現代に伝えてくれる。
何よりも、百人一首にかけた二人の思いが最後に効いてくる。
主役の二人の演技はまあ、頑張っている。妻夫木は今までで一番演技したのではないだろうか。
脇役陣もすこぶるいいが、何と言っても大楠道代がまたまたすごい演技。「空中庭園」でもすごかったが、今回もめらめら燃える演技だ。
ほとんどセリフはないが田口トモロヲの従事役も表情できらりと光ります。石橋蓮司も相変わらず画面を乗っ取ってしまうし、岸田今日子もいい。とにかく一人一人の演技がいい。
いやあ、本当に驚きました。行定勲って、こんなに、本物だったけ?
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