高橋さんの演劇は綿密で、人間の心の奥底を十分照らしたスケールも大きい演劇です。
そこらにあるような題材なのにいつも考えさせられてしまう。本作も、この演劇作家の才能のすばらしさを十分感得できる秀作であります。
全編に吹いている清涼な風がとても気持ちいい。それは高橋さんの脳裏が根源なんだろうけれど、観客席に凪のように吹いてくる。この心地よさ。しかし、根に息づくものは、社会の矛盾と、我々が生きている人生そのものを根っこから揺り動かしているものであることに気づく。
断然、他の劇団と相違のある個性あふれるこの旅団はどこに我々をいざなってゆくのであろうか、、。次作も楽しみである。
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