敢えて現代を生き抜くために我々が採っている行動パターンをスクエアという図形の外側・内側から覗き見た不快な作品ではあります。
そこにあるのは、エゴイズム、不寛容、通俗性、社会的無関心、偽善の横行まあつまりはすべて自分が常に思念しているもの、および自分だけはそうではないだろうと勝手に思い込んでいる代物のオンパレードです。
結局は前作『フレンチアルプスで起きたこと』の二番煎じだとも思われますが、皮肉がかなり効いています。また2時間半の長尺なのでじっくり気持ちよく描いた感もあります。
それにしても不快臭が充満しています。それは取りも直さずわが心の綾に降りかかってくる何かをみんな感じているからなのでは、、。この映画を見ることはこの醜悪な現実及びわが心を直視することにつながっているのでしょうか。
なかなか辛辣な、しかし思い当たることの多い不愉快な作品です。けれど、例えばハネケの全人類的な毒のかけらはこの作品にはない。そこが少々不満です。
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