セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~ (2008/韓国)(ミン・ギュドン) 65点

2009-05-14 14:23:24 | 映画遍歴
少女マンガが原作という、あくまで女性客目当ての意外やドタバタコメディ映画であったように思う。というのもこの映画でははっきり言って女性は出てこない。(いわゆる一般的な女性は出てくるが重要な役ではない。)

女性側から一方的に愉しんでいると思わせる少女マンガの世界、絢爛の世界である。そこには男が立ち入る隙を与えない。女性が愉しんで男を彩りにしてしまうある意味恐ろしい映画でもある。間違って映画館に入ってしまった感がする。たまたま女性どもから距離を置いて座っているが、一つ一つの女性たちの反応が不思議で怖い。

考えたら主軸は男と男の怪しい雰囲気ととろけるようなケーキとそして誘拐という犯罪である。素材としては立派に映画として成り立つはずなんだが、、。

4人の男のそれぞれの伏線も、後で明らかにされていくが意外性がない。すなわち映画的高揚が感じられない。一番わけが分からないのは4番目の男が最後まで性格付けがはっきりしないまま去って行ってしまったこと。

3番目の元ボクサーにしても、ただ大食いのケーキ好きだけでは役柄としては不足なんだなあ。キャラとして浅い。主役の二人も結局ただのうのうと生きている感じがして魅力不足だ。あの、フランス人コックもどちらかというと気持ち悪い。

原作は勿論読んではいないけれど、原作に引きづられたのかなあ、、。マンガとしては面白くても映画的にもっと何かもっと昇華させるものがなければ映画としては成り立たないのではなかろうか、、。

というか、男の僕が立ち入る何かをこの映画は拒否しています。その意味でも観客を選ぶ珍しい映画ですね。

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