セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

欲望 (2005/日)(篠原哲雄)

2005-11-19 21:41:28 | 映画遍歴
良かったです。篠原哲雄って、出来不出来がかなり分かれる不思議な監督なんですが、今回は名作「木曜組曲」と並ぶぐらい素晴らしい力作だ。
かなり文学臭の残る映画ではあるが精緻な演出、緻密で美しい映像、すこぶる繊細で哀しげな音楽、何よりも出演者の演技のダイナミックさ。肉体というものをぶっつけながら、描いているのは実肉体を喪失している男を通して「精神の愛」を描くという難解なテーマなのだが、1本の文学小説を読みきったという充実感が漂う。
三島の使い方もこの映画のテーマをかなり拡張の高いものにしたと思う。
最近では珍しい、大人による大人のための大人の映画だと思う。
今年の収穫作のひとつ。この映画を見られたことを本当に嬉しく思う。
****

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴェニスの商人 (2004/米=伊... | トップ | マダムと奇人と殺人と (2004/... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画遍歴」カテゴリの最新記事