セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

Plant M『紙の船、濡れながら大海を往く』(作・演出/樋口ミユ)(於・ cocoromi ) 80点

2015-11-14 19:16:41 | 演劇遍歴

小演劇にしては2週間ほどの公演。これは実際稀有である。それだけ自信があるのだろう、自然と見る方にも期待が高まる。

劇場は広いが何にもないただの空間のようにも思える。白い紙が床に全面ランダムに敷いてある。何なんだろう。題名からすると船になるらしいから海のようにも思える。病院のシーツを干してあるような光景も見える。

役者の一部は前衛劇のような風采である。顔半分が白く塗られている。ちょっとキモイ感もする。でもそのうち慣れてくる。

父親と娘の壮絶な愛憎である。精神病院に父親の最後を見届けるために娘はやってくる。そして父親の走馬灯のような絶句を見ることになる。

蟷螂襲氏の熱演が目立つ。役者というのは肉体を張って自分を吐露することだということなんだと納得させられる。身震いするほどだ。凄い。彼を通して母親との愛憎が語られる。

母親が死ぬと、息子に対して楽しいこと以外の悪行を一手に引き受けていた神(母から移管される)はどうなるのか。娘は父親を許すことができようか、、。

壮絶な話であるが、実に普遍的な話でもある。最初難しそうな話だと思ったが、意外と分りやすい展開となっている。1時間15分。集中して見入ることになる。秀作。


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